マイケル・ジャクソンの顔について(21)Invincibleアルバムジャケット

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☆ [2012.4.12追記]こちらの補足を記事を書きました

(反省・まとめ・今後の課題 ②)のつづき

謎の多いInvincible期ですが、「ソニー・ウォーズは本当は何だったのか」という点について、少し考えてみたいと思っていることと、(6)で結論づけたかったことについて、もう一度チャレンジしてみたいと思います。

まずは、アルバムのカバーフォトから。

◎Nancy Donald(art direction)
◎Steven Hankinson(cover design)

アルバム発売は2001年。アートディレクションをしている、Nancy Donaldは、1970年ごろから、様々なアーティストを手がけ、Boz Scaggs、Barbra Streisand、Celine Dion、Journey、Air Supply、REO Speedwagon、Toto、Bob Dylan、Herbie Hancock、Earth, Wind & Fire、Dolly Parton.....など、ジャンルの壁を越えたメガヒットアルバム請負人。MJのアルバムも“Off the Wall”からすべて、彼女によるもので、デザイナーの、Steven Hankinson(Arnell Group)も、“Invincible”、“Off the Wall”、“Blood on the Dance Floor”の3作に参加。

Nancy Donaldのことはまったく知りませんが、これらのヒットアルバムのカバーをざっと見る限りでは、ジャケ買い心を刺激しない作家性の無さが出来るだけ多くの人々に売りたいレコード会社に支持されている「作風」のように見えます。

MJは、その生涯に多くの「フォトセッション」を楽しんでいますし、画家に自分を描かせることも好きでしたが、不思議と、魂のすべてを注ぎ込んだアルバムの「表紙」にはあまりこだわっていないようで、特に『THRILLER』や『BAD』のカバーは、影像で見る、彼のカリスマ性と比べるとあまりにも平凡なものでした。

『Dangerous』や、『HIStory』になると、『THRILLER』や『BAD』のような味気なさはなくなり、コンセプトをはっきりと打ち出した、マイケルらしいものになりましたが、それまでの集大成とも言える『HIStory』から6年、今までで一番永く待たされたアルバム『Invincible』のジャケット一杯にアップになっている顔に、

「誰?」って言いたくなったのは、わたしだけではないでしょう?


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カバー写真は中面のこの写真と同じく、Albert Watson(ウェブサイト)。Albert Watsonは、多くのアーティストと仕事をしている一流写真家で、彼の写真を表紙にするなら、このカバーのような感じじゃなくて、


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▲Keith Richards(photo : Albert Watson)



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▲David Bowie (photo : Albert Watson)


こんな感じで、MJのアルバム写真が欲しかったところなんですが、


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『インヴィンシブル』ジャケットの「加工」前の写真はこれ。この写真が「オリジナル」だとすれば、顔の輪郭、背景をフラットにしているなどの撮り方を見る限り、アートディレクターからの強い指示で撮影されているように見えます。この写真はジャケット用に撮影されたものであることは明らかなので、ディレクション段階で、写真に詳しいMJなら、出来上がりも容易に想像できるので、MJも納得していたのだと思います。

顔アップのデザイン・コンセプトはよくあるものですが、写真を加工した「意図」には、MJのイメージに対して、リアルな人間性や年齢を感じさせたくなく、彼のイメージを固定化したいという販売サイドの意向が反映されているのではないでしょうか。(Nancy Donaldの談話は見つからず、これは元同業者である、わたしの憶測です)

年齢を感じさせたくなく、イメージを一定に保ちたいというのはアーティスト本人の願望であることが多いですが、MJには「年をとりたくない」という願望はあったと思いますが、彼は年齢の積み重ねや、ファッションの変化以上に、毎回驚くべき変化を遂げて来ていましたし、『Invincible』の中面での写真や、同時期のArno Baniのフォトセッションでも、これまでにないイメージを創ろうとしていました。


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▲photo : Albert Watson


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▲photo : Arno Bani



『Invincible』を聴き込んだ現在では、こういった写真がこのアルバムの音に相応しいことがわかるのですが、当時、印象に残ったのは、サイン会や、You Rock My Wouldの映像だったので、

アルバムの表紙の方の顔は、その頃のMJの人間離れした容貌を、必死にカモフラージュしているようにしか見えませんでした。

下記は、今見ると『Invincible』の内容に対して、ものすごく違和感を感じる、当時の日本での広告



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Commented by MIYUKI at 2011-05-23 10:00 x
ご無沙汰ですm(__)m
待ってました、大統領!!!
Commented by yomodalite at 2011-05-23 10:18
MIYUKIさん、コメントありがとうございます!

「って、誰が、オバマやねんww」
Commented by pyt at 2011-05-23 21:43 x
yomodaliteさんの顔シリーズ来た=======!!!
っていうか、出遅れた=======!!!(汗)

Arno Baniの青タ・・もといブルーアイ、私もインヴィのジャケットで見たかった~。ソニーの反対でボツになったんだよね、MJ落胆しただろうね。。

>アルバムの表紙の方の顔は、その頃のMJの、・・・カモフラージュしているようにしか見えませんでした。

これはソニーが?ってこと?MJ自身も?

>マイケル・ジャクソンの顔について(7)で結論づけたかったことを、もう一度、チャレンジしてみたいと思います。

是非お願いします、ずっと待ってたよ!!!!!(*^_^*)
Commented by yomodalite at 2011-05-23 22:25
pytさん、コメントありがとうございます。

>これはソニーが?ってこと?MJ自身も?

MJ自身のわけないじゃん!SFでさらにパワーアップして公開してるんだから(笑)でも、なんでもソニーのせいにするのもやめない?みたいなね。。

とにかく、そんなに面白いこと言う予定ないんで、、期待しないで見てね。
Commented by bebe at 2011-05-23 22:34 x
インヴェは、史上最高のCDだと思っている私には、このジャケ見たときは、MJってこんな顔だったかな?と思いながらもOK範囲、でも上のポスター見たときは、いや~~っ違う!って断言してしまった。その頭の大きさに違和感たっぷりだったのよ。
つづき楽しみにしてます。
Commented by pyt at 2011-05-23 23:14 x
>とにかく、そんなに面白いこと言う予定ないんで、、

面白いことだけを期待しているわけじゃないから(笑)
yomodaliteさんの、壮大な考察の全容(っていうか土壌づくり?)を知りたいのです。あれから1年だね。

楽しみに待ってます。
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by yomodalite | 2011-05-22 23:48 | マイケルの顔について | Trackback | Comments(6)

旧「読書日記と着物あれこれ」。歴史/文学/お笑いを好み、着物生活をしていたはずが、いつしかマイケルジャクソンのように本を読もうになってしまったブログ。永年暮らした東京を離れ、現在は大阪を満喫中。


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