『桜庭一樹読書日記』/桜庭一樹

『桜庭一樹読書日記』は、1年間の読書日記として、現在までに3冊出版されていて、

『少年になり、本を買うのだ』
(2006年2月〜2007年1月)
『お好みの本、入荷しました』
(2008年4月〜2009年5月)

☆上記リンクはカスタマーレヴューの数で単行本にしましたが「文庫」も出版されてるみたい

今回読んだのは、上記の2冊。著者の読書日記は、出版社から寄贈されて、新刊本の感想を書かれているような、よくある「書評」と違い、すべて自ら買い求めた本によるもの(著者が、本を買い求めるところも、この本のグッとくるところ!)なので、年代が新しい日記に、最近の本が紹介されているわけではなく、

絶版本や、希少本、古典から、お笑い本まで、幅広く、怒濤のペースで、どんどん読書をこなしていく、その量にも圧倒されるのですが、桜庭一樹という人がもっとスゴくて圧倒されます。

『少年になり、本を買うのだ』は、ほとんど未読で、今まで手にしたことのないジャンルが多かったんですけど、その章タイトルが素敵過ぎて、ここに記録しておく誘惑に逆らえないっ!

・読書にまつわるすごいこと(たぶん)を発見する。
・町中に“なぞの女”がいる、気がする。
・ジョン・ランプリエールが辞書になる!
・夏木マリと、カー談義する。
・直毛なのに、アフロである。
・バナナの皮で、世界が滅亡する。
・傑作の前を、歌って通りすぎている。
・百匹の蠅が死に、百人の老人がやってくる。夏が、終わったのだ。
・片手に二十世紀梨、片手に豆腐竹輪の夜である。
・「ビバビバ都会!野戦病院!」である。
・少年になり、花を買うのだ。
・書店はタイムマッシーンである。


◎松岡正剛の千夜千冊『ジョン・ランプリエールの辞書』

ねっ!すっごく読みたくなるでしょ?こうやって書き出していたら、またまた思い出して、読み直したくなってしまう。。わたしのブログでも、こんな素敵なタイトルをつけてみたいという「欲望」に逆らえそうにないので、今後、ヘタクソな真似をしちゃったときは「やってる、やってる!」(by : ジミー大西)って感じで見守って欲しい。

『お好みの本、入荷しました』には、上記のような「章タイトル」がなくなったのが、少しサビしいのだけど、本の内容は前作より詳しく説明されているかも。また突然「入籍」されたりして「夫」という、新たなパートナーにより、著者のキャラもちょっぴり変化されたり、直木賞受賞もあったり、、

でも、どちらの本も、本の内容を詳しく語られているわけじゃないのに、すごく読みたくなってくるのは、著者の本への愛情が伝わってくるからだと思うけど、でも、語られている本以上に「桜庭一樹」というひとが魅力的だからだと思う。

この本を読んだこと、桜庭一樹という人に感動したことを記録しておこうと思ってから、2週間以上経ってしまったのは、あまりにも興奮したからで、

知らない本を一杯紹介してもらって、

人気作家である著者の毎日と怒濤の読書欲に圧倒され、

読書好きな母との不思議な会話や、

娘(桜庭氏)、母、祖母という桜庭家三代に渡る、読書への想いと、

作家として骨身を削られている姿に涙したり、

著者だけでなく、書店員や編集者といった本好きのプロたちの本への愛情も、

苦しくなるぐらい伝わってきました。

今までにも、魅力的な作家はたくさんいたと思うけど、

作品でなく、作家自身に、これほど魅力を感じたことはなかったように思う。


それにしても、読書ブログなのに、直木賞作家に、MJで出会うって、、、なんかマズい気もするんだけど、でも、わたしが、もう、どーしよーもないほど、MJに惹き付けられたのも、彼が相当の読書好きだってことが、深くわかってしまったからだし、、

MJ繋がりで、またもや素敵なひとに出会えたんだから、

「ま、いいか」

『傷痕』楽しみだなぁ。。。なんか、とんでもないことになるかもしれないけど、、
MJファンのひとに、いじめられないといいなぁとか、気の早い心配しそうになっちゃった。。。

◎初めて、桜庭一樹を知った日の日記
◎うっかり影響を受けている日の日記  

あまりにも、多くの魅力的な本が紹介されているので、興味をもった本をメモするのも大変なんですが、たまたまピンクの付箋が目の前にあったときに貼っておいた部分のみ、ちょっぴりメモしておきます。

◎『少年になり、本を買うのだ』より
・『オトメの祈りー近代女性イメージの誕生』/川村邦光(1993年・紀伊國屋書店)
・『女賊』/橋本治 (俳優、篠井英介氏のために書かれた「黒蜥蜴」の一人芝居で、岡田嘉夫氏のイラスト付きのカラー絵本)
・『6人の放送作家と1人の千原ジュニア』(DVD。宮藤官九郎脚本の『福本和枝』。♪わたしは、太陽の塔と寝た女!♫)
・『キリハラキリコ』/紺野キリフキ(女子高生の日記を模した本。元は携帯サイトで配信されていて、日常のトボケた法螺話)
・『エンジェル・エンジェル・エンジェル』/梨本香歩
・『ハルカ・エイティ』/姫野カオルコ
・『春子ブックセンター』/宮藤官九郎
・『東のエデン』/杉浦日向子
・『愚か者ー畸篇小説集』/車谷長吉
・『ニシノユキヒコの恋と冒険』/川上弘美
・『肉体が記憶と出会う場所ー人種、性、アイデンティティをめぐる漂泊』/ディヴィッド・ムラ(米の著名な詩人で日系三世)
・『ミッション・スクール』 (2006年、中公新書)
・『死の泉』、『妖櫻記』/皆川博子
・『ハザール辞典』/ミロラド・パヴィチ(東京創元社。在庫なし?)
・『琥珀捕り』(東京創元社。在庫わずか?)
・『ユルスナールの靴』/須賀敦子(ユルスナールを愛する著者による独特の考察が光るエッセイ)

◎『お好みの本、入荷しました』より
・『教科書に載った小説』/佐藤雅彦
・『アフタースクール』内田けんじ監督(海外サスペンス好きにはたまらない活劇として紹介)
・『人間の情景』(1992〜93に刊行、全八巻のアンソロジー。エンタ読みには第六巻『奇妙なはなし』がお薦めらしい)
・『衣裳術』/北村道子
・『風俗嬢菜摘ひかるの性的冒険』/菜摘ひかる
・『聖フランチェスコの鳥』/田口犬男(現代詩)

こちらの本は『少年〜』と違って、既読の本が多くて、それらの感想に共感する箇所も多かったのだけど『O嬢の物語』の著者が女と知って驚くもそのひとつ。本書の中で四方田犬彦氏は、しわくちゃの老女になったフィルムを見たって記述があるけど、わたしが、そのフィルムを見た印象は、驚くほどカワイイ老女でした。





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Commented by pyt at 2011-02-28 21:33 x
本日、とある待合所に、小説現代1月号がおいてあって、その表紙に「傷跡」の2文字が!待っている間に読んでしまった。。MJファンにいじめられるような内容ではないし、ファミリーらのキャラ設定なども、良く調べてるなあという印象だけど、これ以上のネタバレ&感想は控えるね。

小説オンリーの月刊誌って、乱読したいときに丁度いいかなと今更ながら思ったことも収穫。「傷跡」情報サンクスでした!

それにしても、つづきが読みたい、、単行本化まで待ちきれないっ、、(笑)
Commented by yomodalite at 2011-02-28 23:47
わわわ、ファミリーまで、登場させてるんだ!!!

小説の月刊誌は、わたしも今全然見てないけど、ちょっとづつ色んな作家の作品の味見ができる感じで楽しいよね。でも、連載で読んでくと結末だけ、単行本に続くとか、超イジワルな仕打ちにあったりするところは、注意が必要なんだよね。

わたしは、桜庭氏のおかげで、ひさしぶりに「小説」を読書中。桜庭一樹直木賞への道を、ちょっぴりはしょって追体験してます。
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by yomodalite | 2011-02-21 11:59 | 文学 | Trackback | Comments(2)

旧「読書日記と着物あれこれ」。歴史/文学/お笑いを好み、着物生活をしていたはずが、いつしかマイケルジャクソンのように本を読もうになってしまったブログ。永年暮らした東京を離れ、現在は大阪を満喫中。


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