日本のタブー 悪魔の用語辞典(2)/副島隆彦(編著)SNSI副島国家戦楽研究所

悪魔の用語辞典 これだけ知ればあなたも知識人

副島 隆彦,SNSI副島国家戦略研究所/KKベストセラーズ




多くの方が『日本のタブー』というタイトルから、想像する内容とは、すこし異なっていて、

本書は、昨年末に出版された 『悪魔の用語辞典』の第二弾で、巻頭に副島氏の「ヒューマニティーズ(人文)、そしてルネサンス(人間復興)とは何か」という文が、60ページほどあり、その後、副島氏の弟子にあたる方々が、それぞれ、下記のテーマを、通常の辞書ではわからない部分に踏み込んで、解説されているという構成になっています。


【優生思想】eugenics ― 人口削減思想の生みの親(崎谷博征)
【安楽死】euthanasia ― 安楽死は功利主義から生まれた(石井利明)
【薬】drug/medicine ― クスリの大部分は疚しさで出来ている(六城雅敦)
【不老不死】immortal ― 魂だけが不死である(足助友子)
【金融工学】financial engineering ― 市場価格を操作する八百長理論(根尾知史)
【ポジティブ】positiv ― ポジティブ思考を解剖する(中田安彦)
【論理的思考】logical thinking ― 論理(logic)とは“連想”である(下條竜夫)
【教育】education ― 教育とは洗脳である(藤森かよこ)
【リベラル】liberal ― リベラルとは友愛である(吉田祐二)
【説明責任】accountability ― 誰もこの言葉の真の意味を知らない(廣瀬哲雄)
【税金】tax ― 税金は悪であり、廃止されるべきである(佐藤研一朗)
【法の支配】rule of law ― 支配階級の冷徹な意思(中谷央介)
【ロビー活動】lobby ― 薄汚いものだがデモクラシーには必要なもの(古村治彦)
【正規分布】normal distribution ― 平均値という幻想(原岡弘行)
【人口】population ― 本当は恐ろしい「持続可能な社会」(高野淳)
【石油】petroleum / hydrocarbon ― 石油は生物(化石)起源ではない(桑原義明)



「愛」や「正義」といった内容や「悪魔の用語辞典」というわりには、極一部、多少青臭かったり、若さが感じられた、第1弾より、現代的な言葉が並んでいるせいもあり、より洗練された「辞典」になっているように感じました。

本家アンブローズ・ビアスの「悪魔の辞典」のような、風刺精神とか、アイロニカルな雰囲気ではありませんが「オックスフォード英語辞典」を、日本人が理解するための最良ガイドになっていると思います。

帯で見えにくくなっていますが、カバー画は、ロダンの「悪魔の手」が使われています。

また、帯に書いてある、

ランボーの「酩酊船」とは精神病者用の病院船だ

川端康成の『伊豆の踊り子』は少女売春の話だ

ミケランジェロは共和政のために命懸けで戦うフィレンツェ防衛隊長だった。
しかし、自分だけヴェネチアに逃げた思想転向者である。そして偉大な芸術家になった。


という内容は、巻頭の、副島氏による「ヒューマニティーズ(人文)、そしてルネサンス(人間復興)とは何か」という文章にあるのですが、

これは、日本の文学部では教えない、世界文学の真実から始まり、神秘主義とは何か、宗教から、発生した権利、自由思想とは何かを、日本の文学や歴史をも含めて語られていたり、マックス・ウエーバーによる、プロテスタンティズムが、近代資本主義をつくったという「嘘」から、「メディチ家とは何か」、ダンテの「神曲」、ルネサンスとは何かという話題につづきます。

メディチ家の話は、塩野七生さんの多くの本や、マンガの題材としても、また、ダヴィンチを筆頭に、ルネサンス芸術も、日本で人気があるはずなんですが、ミケランジェロについての良書には、これまで出会ったことがなく、この中で挙げられていた、羽仁五郎氏の『ミケルアンヂェロ』と『都市の論理』は読んでみなきゃと思いました。

「ルネサンス」という言葉の意味についての解説があり、ミケランジェロとマキャベリ、コジモ・メディチ、ロレンツォ・メディチ、プラトン・アカデミーから、カバラ、グノーシス派。。。芸術家として、最後にボッティチェルリが登場する、これらの流れが60ページほどで語られています。

この巻頭文は、本当に凝縮した内容で、神と人間という考え方に慣れていない日本人には「ヒューマニティーズ」を、こういった流れで解説された経験がない人が、ほとんどではないかと思いますが、もし、これを読んで、それぐらいのことは知ってたなどと思った人は、鮮やかな解説を読むと、すぐに納得して、共感してしまう、おっちょこちょいな方ではないでしょうか(笑)。

わたしは、副島氏の本を読んでいたおかげで、マイケル・ジャクソンが、めったにいないレベルの相当な読書家だったことに、気づくことが出来、彼がミケランジェロをどう理解していたかが、多少でも想像できるようになったので、彼の絶望の深さも、芸術家として見据えていた山の高さも、少しは把握できたように思います。

一年前の『悪魔の用語辞典』のときと、同じことを、もう一度言います。

My Brother & Sister!2011年は、この本から始めましょう!!!

_________

[出版社による紹介]本当のことこそ、語られない。巧妙に隠される。なぜなら、本当の真実は、たいていの場合、目をそむけたくなるような、恐ろしいことだからだ。

本書のタブーの題材は日本に限定されない。世界、とくに欧米において「常識」であることで、日本人には知らされていないことをたくさん「日本のタブー」として取り上げてある。

それらの真実を知ることは、日本人が生き延びるために必要なことだからだ。

アホな文学好きたちは真実を知らない。世の中は差別と排除とカネの論理で動くのだ。
それなのに、その真実を見ようとしないで、キレイごとだけですませてしまおうとするのは、つまり善人とはただのアホの別名だからだ。

禁忌を破れ! 目を見開いて、この真実を見よ!
この世は本当に、穢〔きたな〕らしいのだ!

[巻頭文の内容]
ヒューマニティーズ(人文)、そしてルネッサンス(人間復興)とは何か ー 副島隆彦
  
・この世で隠されている本当のこと
・言葉を隠して真実を隠そうとする
・文学の世界に隠された差別
・ランボー「酔いどれ船」に隠された真実
・人類の歴史は病原菌との闘いだった
・温泉宿の真実が伝わらない
・ルターが始めた、真実を隠そうとするローマ教会への抵抗
・自由には「貧乏人たち用の自由」と「金持ちたち用の自由」がある
・私、副島隆彦が資本主義の精神のユダヤ先祖返りを解明した
・なぜ日本人はヨーロッパが分からないのか――それはメディチ家を理解しないからだ
・フィレンツェを理解しないとヨーロッパが分からない

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by yomodalite | 2010-12-23 00:13 | 宗教・哲学・思想 | Trackback | Comments(0)

旧「読書日記と着物あれこれ」。歴史/文学/お笑いを好み、着物生活をしていたはずが、いつしかマイケルジャクソンのように本を読もうになってしまったブログ。永年暮らした東京を離れ、現在は大阪を満喫中。


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