解剖学個人授業 (新潮文庫) /養老孟司、南伸坊

養老氏と言えば、「唯脳論」の人。

長い間、様々な著作や、TV番組を通じて「脳」ブームを作ってきた方って印象があるんですけど、このところ、私は、あんまり読んではいませんでした。

脳関係の本って、茂木健一郎氏のものも含めて、なんだか厭きたって気がしてたんです。養老氏も茂木氏も、著作の完成度にはこだわらないことで、過剰な出版数を維持しなくてはいけない、日本の出版社に寄与してきたとは思いますけど、読者としては「当たり」を見つけるのが、すごく難しいという部分でも、敬遠してました。

でも、茂木氏の著作で感動したことは一度もないんですけど、氏のブログはわりと面白いんですよね。

◎茂木健一郎「クオリア日記」
◎茂木健一郎「連続ツイート」

上手く説明できませんが、お二人の面白さに比べると、一般向けの書籍の乱発と、著作の完成度の低さはどうしてなんだろう、、でも、なんとなく、その原因も、お二人の仕事というか、研究に、原因があるのかな〜なんて思いつつ、めったに行かない「ブックオフ」の文庫欄で、この本を見つけました。

南伸坊氏の「個人授業」シリーズは、本書以外にも、心理療法、免疫学、生物学などがあって、他著も是非読んでみたいものばかりですが、あの、南氏が、養老氏を、わかりやすく解説してくれるなんて、、、素晴らし過ぎませんか?

で、興奮しつつ、表紙を眺めてて、ふと、思ったんですけど、養老孟司氏の専門は「解剖学」なんですね。それで、解剖なら、わかる気がするけど、「解剖学」って何なの?ってことに、初めて気がついたんです。で、そこに気づいた瞬間、ほんのちょっぴり「あっ」て声を上げそうになりました。もしかして、これが、アハ体験(笑)

さらに、冒頭を立読みしてみたら、「まえがき」に、「笑うと、頭がはたらいている気がする。笑った時に、人は何かを考えているというのが、わたしの持論です」って書いてあって、もう、欲しくてたまらなくなったので、105円と交換しました。

近年、こんなに「わらしべ長者」気分になったことは、めずらしいかも。。。

ただ、家に帰って、じっくり読んでみたら「アハ体験」かどうかは、よくわからなくなりました。

解剖なら、わかる気がするけど、「解剖学」って何なの?っていう疑問は、ことのほか、むずかしいんです。で、南氏は、そこが、むつかしいってことを、今までの誰よりも、わかりやすく、すごく丁寧に「バカの壁」を、打ち砕こうとしてくれています。

それゆえ、この本は「解剖学」を、わかりやすく説明してくれる本ではなくて「解剖学」って、こんなに、むずかしいんだってことを、丁寧に、気づかせてくれるという、南氏以外では、ありえない、希少な本になっています。

「脳」本に厭きた方へ。。。

______________

[目次]

第1講 解剖学事始
第2講 人間はなぜ解剖をするのか
第3講 落語と孔子と二宮尊徳
第4講 大腸と小腸は同じ!?
第5講 耳小骨
第6講 目玉の話
第7講 セクシイの巻
第8講 形からわかること
第9講 科学の哲学の話
第10講 無限と解剖学
第11講 脳にとって冗談とは何か?
第12講 奇抜な結論
第13講 世界1、世界2、世界3
第14講 現実とは何ぞや
第15講 忘却の彼方
復習 『対談』人体の不思議
補講 蛇の足の解剖学(養老孟司)


[BOOKデータベース]ネズミも象も耳の大きさは変わらない!?えっ、目玉に筋肉あるの?誰もが知りたい体のしくみ。でも、解剖学はそれだけでは終わらない。解剖して名前を付けるってどういうことなんだろう。ハゲおやじの「頭」と「額」の境目はどこ?器官は何のためにあるの?そもそも何かのためにあるの?落語や二宮尊徳、哲学や社会に話が飛躍して、好奇心は無限に広がる、シリーズ第3弾。

[MARCデータベース]胃がどこにあって、何の役に立っているのか、それを知るだけじゃつまらない。落語や孔子や哲学も、解剖学とは深い関係にある。解剖学の基礎から最先端までを、オモシロく、わかりやすく学ぶ授業録。 新潮社 (2001/03)





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by yomodalite | 2010-11-23 15:29 | 科学・環境問題 | Trackback | Comments(0)

旧「読書日記と着物あれこれ」。歴史/文学/お笑いを好み、着物生活をしていたはずが、いつしかマイケルジャクソンのように本を読もうになってしまったブログ。永年暮らした東京を離れ、現在は大阪を満喫中。


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