松岡正剛の書棚ー松丸本舗の挑戦/松岡正剛

松岡正剛氏は、わたしの十代の頃からのアイドルのひとりで、今も、追っかけたくなる気持ちを考えると、もしかしたら、一番長い期間、萌えている方なんですが、、

でも、ここ数年、松岡氏のお仕事は、リンクしている「松岡正剛の千夜千冊」というブログをたまに見るぐらいで、著書は、去年の春頃に読んだ『日本という方法—おもかげ・うつろいの文化』に、久しぶりに感動して以来。

松岡氏は、わたしに、初めて古本屋に行く楽しみを教えてくれた人で、これまで、まったく知らなかった類の本や、氏の編集による、伝説的な雑誌『遊』や、杉浦康平氏が造本した本を、1冊づつ買い揃えて行ったり「本屋」に行くことを、すごく楽しませてくれた方だったんですが、近頃はネットショップばかり利用していて、「松丸本舗」は、そんなに遠くないにもかかわらず、なんだかキレイ過ぎるせいもあって、一度行ったきりで、忘れていたんですけど、

今後、わたしは、この本に紹介されている本を中心に、読書していくことにします!!!

今までに、何度も、古典を読まなきゃとか、思っているんですけど、やっぱり、松岡氏のブックガイドが、わたしにとって、一番の道しるべだと思う。

橋本治氏、内田樹氏、小室直樹氏、副島隆彦氏は、それぞれ、むずかしいことを、わかりやすく、わたしに、説明してくださった方々なんですが、松岡氏は、個別の作家、著作だけでなく、膨大な本の海を前に、地図のように、道筋を示してくださる先生で、

それゆえ、これまで紹介されて、読んだ本の中には、全然理解できなかった本も、かなり多いんですが(苦笑)、ただ、よくわからなかった本に対して、あとから、松岡氏も、難しかったんだなぁってことがわかると、「やっぱり、そうだよねっ!」て感じで、すごく安心できるんですよね(笑)

本書には、佐藤優氏との、すごく面白い対談も納められているんですが、そこでも、佐藤氏の『日米開戦の真実−大川周明著「米英東亜侵略史」を読み解く』という本を、とんでもないと思った(←よくわかんなかった言ってる例)とか、

山本七平氏の『現人神の創作者たち』に対しても、こんな風に解説してくれるのは、松岡氏以外にはいないと思う。

(「千夜千冊」より引用)……こうして、山本七平は「歴史の誤ちを糺す歴史観」と「ありうべき天皇像を求める歴史観」とが重なって尊皇思想が準備され、そこから現人神の原像が出てきたというふうに、本書を結論づけたようだった。
 

「ようだった」と書いたのは、本書は後半になって組み立てが崩れ、江戸の歴史家たちによる赤穂浪士論をめぐったままに閉じられてしまうからである。


徳川時代の後半、朱子学や儒学の思想は伊藤仁斎と荻生徂徠の登場をもって大きく一新されていく。陽明学の登場もある。また、他方では荷田春滿や賀茂眞淵や本居宣長の登場によって「国学」が深化する。

本書はこのような動向にはまったくふれず、あえて江戸前期の「尊皇思想の遺伝子」を探索してみたものになっている。
 

このあとをどのように議論していくかといえば、いまのべた徂徠学や陽明学や国学を、以上の「正統性を探ってきた試み」の系譜のなかで捉えなおし、さらに幕末の会沢正志斎らの「国体」の提案とも結びつけて見直さなければならないところであろう。
 

山本七平はそこまでの面倒を見なかったのだが、それがいまもって丸山真男と山本七平を両目で議論できるホリゾントを失わさせることになったのである。
 

が、ぼくとしては冒頭で書いたように、そこをつなぐ研究が出てこないかぎり、われわれはいまもって何か全身で「日本の問題」を語り尽くした気になれないままになってしまうのではないか、と思うのだ。(引用終了)


松岡氏の魅力は、ある種の権威にも関わらず、著書にも、著者にも、ずっと謙虚さを失われないところだと思います。そういったところが、

『日本という方法—おもかげ・うつろいの文化』の、魅力に繋がっているんですよね!

で、ここから、本書の内容なんですが、

松丸本舗の内臓とされる「本殿」は7つあって

「遠くからとどく声」
「猫と量子が見ている」
「脳と心の編集学校」
「神の戦争・仏法の鬼」
「日本イデオロギーの森」
「茶碗とピアノと山水屏風」
「男と女の資本主義」

タイトルから、内容が想像しにくい「遠くからとどく声」には、少年少女文学と少女マンガと、SF、漢詩、幻想文学、短歌・俳句など。。

松丸本舗の洋服とされる「本集」は、2つで

◎再編する市場と政治
◎たくらみの方法

「たくらみの方法」は、社会の出来事を考えるための方法に迫る本が納められています。

その他、「造本」「本家」「懐本」「本相」の棚があり

「本相」には、セイゴウ式勝手相場」と名付けて、独断と偏見で、ある本を絶賛したり、がっかりしたり……名作に心震わせるのも読書の楽しみではあるけど、タイトルや文章に騙されて失望するのも読書の恋愛術なのだ。なんて、またまた、憎いことを。。。

対談は、上記の佐藤優氏以外に、東浩紀氏との対談「僕たちは今、“ライプニッツ的世界”を生きている」も。デジタル時代の本格的到来が「本との生活をどう変えるのか?というテーマ。

棚写真と平行した解説では収まらなかった分は、より深くセイゴオ・ワールドを味わうための「お薦め本」として、驚異の松岡式チェーン・リーディングを紹介。

とにかく、見応えも、読みごたえも、スゴ過ぎる、最強ブックガイド!!!
特に、松丸本舗が、お近くにない人は、買うしかないです。

◎松岡正剛の書棚|特設ページ|中央公論社

◎本たちの息吹き(文中リンクも必読)

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[BOOKデータベース]あの「千夜千冊」が本屋になった。書店初のセレクトショップ、松丸本舗を解説。中央公論新社 (2010/07)





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by yomodalite | 2010-11-09 08:46 | 評論・インタヴュー | Trackback | Comments(0)

旧「読書日記と着物あれこれ」。歴史/文学/お笑いを好み、着物生活をしていたはずが、いつしかマイケルジャクソンのように本を読もうになってしまったブログ。永年暮らした東京を離れ、現在は大阪を満喫中。


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