誰が日本を支配するのか!?政治とメディアの巻/佐藤優、魚住昭

誰が日本を支配するのか!?検察と正義の巻

佐藤 優責任(編集),魚住 昭責任(編集)/マガジンハウス



先日読んだ『功利主義者の読書術』に続いて、こちらも、大変ワクワクして読みました。(ワクワク部分は、後述)本書は、佐藤氏と『沈黙のファイル』『野中広務 差別と権力』の魚住昭氏による共著ではなく、“責任編集”というスタイルで、

◎政治とメディア
◎沖縄と国家統合
◎検察と正義

という3部作の1冊。(他の2作は未読)

内容に関して、いつものように、目次をすべて書き出そうと思ったのですが、出版社のページで、目次内容がわかりますので、省略します。

☆目次はこちら(マガジンハウス“magazine would.jp”)

せっかく、立読みが出来るようになっているのですが、目次までで(本文少しだけでも入れるべきだよね)、冒頭の、わたしが一番ワクワクした部分は、読めませんね。

目次からは、第一章「日本の政治はどこに行くのか」、第二章「鳩山政権崩壊、菅内閣誕生の舞台裏」は、ともに「対談」となっていますが、どちらも、魚住氏は、インタヴュアーに徹しておられるという印象で、佐藤氏と、菅山氏(この名前は、匿名のジャーナリストの仮名。菅+鳩山という意味ですね)に、語らせているという感じ。

この第二章は、取材者、メディア内部からの情報による、数少ないもので、マスコミ不信を増大させている人(私もそうですが)にとって、興味深い内容。

また、第三章「政権交代でメディアは変ったのか」も、元共同通信記者で、『日本の公安警察』(未読)のベストセラー後、フリージャーナリストになられた、青木理氏が、現在のメディアを、リクルート事件取材の教訓から「検察リーク」問題を鋭く指摘した内容。

第四章は、菅政権が提唱する「最小不幸社会」を、小泉売国政権下の「検察」の横暴により、服役させられた、愛国経済評論家、植草一秀氏による経済評論。

全体を通して、昨今のメディア報道に、疑問や疑念を抱いている人には、興味深い内容ということは、目次からもわかると思いますが、目にして、違和感を感じるのは、第一章「日本の政治はどこへ行くのか?」の冒頭、「イエスは“ずるいおっさん”」だと思います。

冒頭で、わたしが「ワクワクした」と、感想を述べたのも、まさに、この部分なので、その「さわり」だけ、省略して、書き出しておきます。

これまでの、民主党による政権交代や、代表選挙の論評の中で「律令制」や「南洲」などのキーワードに、ピリピリ来た方や、『小沢革命政権で日本を救え』を読まれた方の中には、わたしが抱いたワクワク感に、共感される方もおられるのでは?

(引用開始。本文の冒頭)

佐藤 : イエスって、“ずるいおっさん”なんですよ。これは荒唐無稽な解釈ではなく、神学用語を使わずにごく簡単にイエス・キリストについて表現するとこうなります。付け加えておきますと、イエスは実在の人物であり、教育レベルは中の上程度、洞察力に優れ、自分が神の子だという認識は強く持っていたというのが、現在の神学での標準的な見解です。
魚住 : …… ずるい人間だったら、そこまでわかっていて、磔刑を受入れるものでしょうか。
佐藤 : だからこそ、ずるいんです。イエスは、イスカリオテのユダの密告によって逮捕され磔になりました。ユダはどうしてイエスを裏切ったのだと思いますか?
魚住 : ……
佐藤 : 当時、ユダヤ人はローマ帝国の支配下にあり、自分たちの国家を失っていました。(中略)イエスが決起すれば(中略)ユダヤ人の国家を建設し、天上の楽園に至る道を作れるはずだ。だから、密告により、イエスを極限まで追いつめればローマ帝国に対して決起すると考えたんでしょうね。イエスは革命を起こそうと思えば、いくらでも起こせたんです。(中略)
佐藤 : ……(イエスは)逮捕後、人を食ったような供述をしたほかは、口を閉ざしました。明らかに法廷を侮辱しています。そうしたら、わけのわからないうちに十字架に磔になって死刑にされてしまいました。ここにイエスの非常に冷徹な計算が見て取れます。

(引用終了)


佐藤氏は、カルヴァン派のキリスト教徒とのこと。

◎参考記事(2010年9月15日)
http://www.asyura2.com/10/senkyo95/msg/187.html

______________

[内容紹介]対談・佐藤優&魚住昭/佐藤の思想に対する構えや国家観、宗教観を、魚住が聞き出し、政権交代や参院選について語る。今回の「誰が日本を支配するか」編がどのような視点で貫かれようとしているのか、についての「まえがき」も兼ねる。
●鉢山政権崩壊と管政権誕生の裏
●政権交代でメディアは変わったのか?/記者クラブ解散、仕分け会場の開放など、多くのメディアに門戸を広げた新政権。それによって報道は変わったのか。またますます広報発表に頼ったか?
●「最小不幸社会」の経済学/植草一秀による執筆は、魚住の推薦。小泉構造改革に全盛期にひとり新自由主義を批判し、彼の主張していた方向になった。洞察力は衰えず
●鳩山政権の8か月年表

[BOOKデータベース]自民党から民主党への政権交代、鳩山政権の崩壊と菅内閣の誕生、7月11日に行われた参院選での民主党惨敗…。「迷走」を続ける日本の政治はどこへ向かうのか?そして、政権交代を機に加速し始めた、メディアやジャーナリズムの危機は救えるのか。

マガジンハウス (2010/8/12)


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by yomodalite | 2010-09-24 13:38 | 政治・外交 | Trackback | Comments(0)

旧「読書日記と着物あれこれ」。歴史/文学/お笑いを好み、着物生活をしていたはずが、いつしかマイケルジャクソンのように本を読もうになってしまったブログ。永年暮らした東京を離れ、現在は大阪を満喫中。


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