功利主義者の読書術/佐藤優

功利主義者の読書術(新潮文庫)

佐藤 優/新潮社




佐藤優氏の読書術と聞いて、ワクワクしてしまう読書好きはすごく多いでしょう。

まず、功利主義の読書とは?について「まえがき」では、こう書かれています。

(引用開始)読書には、大きな罠がある。特に、読書家といわれる人がその罠に落ちやすい。読書はいわば「他人の頭で考えること」である。(中略)本書が想定する読者は娯楽を目的とする人々ではない(中略)

本書の表題に「功利主義者の」というしばりをかけたのも、ビジネスパーソンや学生の「役に立つ」ということを第一義的に考えたからだ。(中略)

実用書やビジネス書は、はじめから「役に立つ」ようにつくられている。従って、このような本を功利主義的観点からどう読むかという解説をしても、読者にとって追加的利益はほとんどない。(中略)

役に立つとか、功利主義というと、何か軽薄な感じがするが、そうではない。われわれ近代以降の人間は、目に見えるものだけを現実と考える傾向が強い。しかし、目に見えるものの背後に、目に見えない現実があると私は信じている。(中略)

プラグマティズム(実用主義)や、功利主義の背後には目に見えない真理がある。読書を通じて、その真理をつかむことができる人が、目に見えるこの世界で、知識を活かして成功することができるのである。この真理を神と言い換えてもいい。功利主義の読書術とは神が人間に何を呼びかけているかを知るための技法なのである。(引用終了)

では、タイトルと「まえがき」だけで、すでに興奮MAXに達しそうな、そのラインナップは、、、

◎資本主義の本質とは何か
『資本論』カール・マルクス 向坂逸郎(訳)
『うずまき』伊藤潤二
『夢を与える』綿矢りさ
『資本論に学ぶ』宇野弘蔵

◎論戦に勝つテクニック
『山椒魚戦争』カレン・チャペック 栗栖継(訳)
『ふぞろいな秘密』石原真理子
『負け犬の遠吠え』酒井順子

◎実践的恋愛術を伝授してくれる本
『孤独の賭け』五味川純平
『我が心は石にあらず』高橋和己

◎「交渉の達人」になるための参考書
『北方領土交渉秘録 失われた五度の機会』東郷和彦
『カラマーゾフの兄弟』フュードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー 亀山郁夫(訳)
『カクテルパーティー』大城立裕

◎大不況時代を生き抜く智慧
『恐慌論』宇野弘蔵
『恐慌前夜 アメリカと心中する日本経済』副島隆彦
『経済学の国民的体系』フリードリッヒ・リスト 小林昇(訳)
「蟹工船・党生活者』小林多喜二

◎世直しの罠に嵌らないために
『邪宗門』高橋和己
「歌集 常しへの道』坂口弘
『レッド』山本直樹

◎人間の本性を見抜くテクニック
『長いお別れ』レイモンド・チャンドラー 清水俊二(訳)
『ロング・グッドバイ』レイモンド・チャンドラー 村上春樹(訳)
『死と生きる 獄中哲学対話』池田晶子 睦田真志

◎「沖縄問題」の本質を知るための参考書
『琉球王国』高良倉吉
『テンペスト』池上永一

◎再び超大国化を目論むロシアの行方
『ソビエト帝国の最後 “予定調和説”の恐るべき真実』小室直樹
『イワン・デニーソヴィチの1日』A・ソルジェニーツィン 木村浩(訳)
『他者の受容 多文化社会の政治理論に関する研究』ユルゲン・ハーパーマス 高野昌行(訳)

◎日本の閉塞状況を打破するための視点
『はじめての唯識』多川俊映
『公共性の構造転換 市民社会の1カテゴリーについての探求』ユルゲン・ハーバーマス 細谷貞雄/山田正行(訳)
『共同幻想論』吉本隆明
『新約聖書 新共同訳』

上記の27冊。(「長いお別れ」と「ロンググッドバイ」は、同一書の翻訳違いですが)

とりあえず、石原、酒井氏などの、いわゆる読書ブロガー向けのトラップ(笑)は避けて、佐藤氏ならではの、深い洞察が堪能できるのは、

まずは、ロシア関係で“IN”。先頃、お亡くなりになった、小室直樹氏。このブログでは、『韓国の悲劇ー誰もかかなかった真実』以外は、記録していないのだけど、それは、このブログが、2007年から始めたからで、それ以前に読んだ本は、極わずかだけ、気が向いたときに、保管してあるのだけど、『ソビエト帝国の最期』だけでなく、小室氏のカッパブックスのシリーズは、ものすごく頭がイイ人だからこそ書ける、読みやすくて、深い内容のものが、本当にたくさんありました。カッパブックスじゃないけど、今でも、簡単に手に入る、下記3冊とか、昭和天皇本とか、

◎日本人のための宗教原論
◎小室直樹の中国原論
◎日本人のためのイスラム原論

もう本当に読んで良かった!と、心の底から、思えた本ばかり。小室直樹氏に出会えなかったら、その弟子の副島隆彦氏にも出会えなかった。本当に頭のイイ人に出会えないと、それ以外のそんなに頭が良くないのに、イイと勘違いしている人から、影響受けちゃって、読書によって、ますます、バカになってしまうってことが、よくわかりました。

それから、個人的に、グッドタイミングだった、『カラマーゾフの兄弟』と『新約聖書』

仕事を辞めて、とにかく読書生活したい!と思ってから、何度も、『カラマーゾフ』を読み直さなきゃって、思ってたんだけど、その前に、大書『マイケル・ジャクソン』に出会っちゃって、どっちが先?と何度も考えて、やっぱり、マイケル?って思いつつも、いつも、気になっていたんだけど、新訳が出版されてたんですね!タイミングが来たら、絶対、亀山郁夫訳で読もうっと♡

『新約聖書』も、どれを、種本にすれば、いいのか、わからなかったんだけど、『新約聖書 新共同訳』にします!

とにかく、他にも、チャンドラーの村上春樹訳の話とか、ハーバーマスの話も深過ぎるし、大城立裕って誰?とか、池上永一氏にも、注目していなかったけど、とにかく、佐藤氏の読み解き方が、面白い!

また、『はじめての唯識』では、以前、別の学問について、やっぱり、その道の大家みたいな人に、その学び方を聞いたら、まずは、「ヘブライ語」からだって、言われて、速攻諦めた、英語も出来ない、わたしのような人にとって、ドイツ語、ロシア語、サンスクリット語や、ギリシャ語、ラテン語、ヘブライ語まで、学ばれた、佐藤氏に、難解なことを「簡単な言葉で解説」した本を、紹介していただけるなんて、もう、幸せ過ぎるぅ〜〜!!!この本を読んで、三島の『暁の寺ー豊饒の海』も、再読せねば!


実際に読むと、さらに、期待以上の面白さ!!! 読書好きには、必読の書。

☆☆☆☆☆(満点)
_______________

[出版社/著者からの内容紹介]タレント本からビジネス書、世界文学の名作、哲学書、宗教書まで──。
今まで気づかなかった智慧が見えてくる。
「役に立てる」という観点から本を読み直せ!
佐藤優が教える画期的読書術。 新潮社 (2009/07)


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Tracked from 哲学はなぜ間違うのか? at 2010-09-15 17:14
タイトル : プラグマティズム
実際、世界は、はっきりとここにあるし、私は、はっきりとその中にいる。当たり前では... more
Commented by mgmg-mj at 2010-09-15 20:17 x
あは♡これって、私に読めって言ってる?(笑)
勝手にそう思って、今ポチっとしてきました♪
来週には届くと思うので、読んだらまた来ます(^v^)
ちなみに「小沢革命~」の本も今ころになって一緒に購入。ちょっと今の「管VS小沢」について、やっぱり読んで確認しておきたいな~っと思ったこともあったので♡これも読んだら私の妄想聞いてもらえます?
Commented by yomodalite at 2010-09-15 20:49
mgmg-mjさん♡
>あは♡これって、私に読めって言ってる?(笑)

いや、そんな、個人対応は...(笑)MJ記事にコメントくれる方のために、通常の読書感想は、ゆっくり小出ししてるんで、これも、4日前ぐらいに書いたものなの。でも、面白そうって思ってもらえて光栄です。「まえがき」でも、わかるように、二重三重に面白い内容で、すっごく興奮して、もっと一杯書いたんだけど、4日経って、冷静になって、これでも半分ぐらい削った(笑)

>ちなみに「小沢革命~」の本も
西寺さん、ツイッターで、菅直人ジャーメイン説に引き続き「遂に民主党ジャクソンズ脱退。ジャーメイン菅氏抜きの大連立“ウィ・アー・ザ・ワールド”ですかね」ってつぶやいてたね。

そういえば、結局シルク姐さんの相手は、オルテガだったのか、トラヴィスだったのか、まだ、わかってないよね?

>これも読んだら私の妄想聞いてもらえます?
楽しみにしてま〜す♡
Commented by mgmg-mj at 2010-09-24 16:52 x
こんばんは♡
この本、今現在残り5分の1というところまできております(笑)
なぜ、読み終わってないのにコメントしたかというと、
>そういえば、結局シルク姐さんの相手は、オルテガだったのか、トラヴィスだったのか、まだ、わかってないよね?
のコメがどういう意味なのか気になって、過去記事を読んでみたものの、今度はその記事が面白くて、コメント欄をすっとばしてしまい、また戻る・・を繰り返し、とてもこの本を読んでる暇がない!(笑)なら、やっぱり本人に聞くしかない!という結論にいたったからであります。
ごめんなさいね~。忙しいのに面倒かけて^_^;ここを読め!って教えてくれるだけでいいので、よろしくです♡♡♡←多めにしてみました(笑)
Commented by yomodalite at 2010-09-24 17:58
>シルク姐さんの相手は、オルテガ....

あわわ....ごめんね。わかんないこと書いて。。これは、西寺氏と東野幸治氏のツイッターの話で、西寺さんのツイート見てる人、ここにも居るようだったので、ちょっと聞いてみたの♡
Commented by mgmg-mj at 2010-09-24 18:34 x
そうなんですね~。私、西寺さんのツイート時々しかフォロー(って言うんでいいんですよね?)してなくて、わかりませんでした。過去のツイートって見られるんですかね?って言うか、今ツイッターにログインするのはまずいのかな?それとももう大丈夫なのかな?力になれなくてごめんなさい<m(__)m>
Commented by yomodalite at 2010-09-24 18:59
>今ツイッターにログインするのはまずいのかな?
???。。オルテガとトラヴィスのどっちかという結論は、西寺、東野両氏のツイッターにはないと思う。でも、とりあえず、その話題を確認したいという方で、アカウントをもっている人は、西寺氏と、東野氏を両方フォローして、めちゃめちゃ過去のツイートを溯る。あと、そのとき、シルク姐さんの詳しい情報を持っていたのは、藤井隆氏♡(未フォロー)でも、シルク姐さん、マジでどっちかとはつきあってたみたいな噂はマジ臭かった(流石)ていうかさ、シルク姐さんには驚かないんだけど、トラヴィス=ゲイは疑ったことなかったからさ〜(驚)

とにかく、MJ情報に、お笑いアンテナは、やっぱり、欠かせないってことだよね(笑)
Commented by mgmg-mj at 2010-09-24 20:55 x
あ、ごめんなさい、先日ツイッターの中枢部?に何者かがハッキングして、位置情報とかが(ごめんなさい、何の情報かは詳しく覚えてなくて・・・)漏えいしているとかってニュースがあって、一番の安全策はツイッターにログインしないことだ・・っと書いてあったもので、ちょっと今は躊躇していました。私、その手のことにはうといので、「触らぬ神に祟りなし」戦法を取っておりました。

うげ!トラヴィスが!?私の周りのTII好き、誰に聞いてもトラヴィス=ゲイを信じていると思われます(汗)もちろん私も。なんだかトラヴィスだったらショックだわ~。ツイッターの方が落ち着いたと確認出来たら、ぜひ調べてみたいと思います(^^ゞ
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by yomodalite | 2010-09-15 12:33 | 文学 | Trackback(1) | Comments(7)

旧「読書日記と着物あれこれ」。歴史/文学/お笑いを好み、着物生活をしていたはずが、いつしかマイケルジャクソンのように本を読もうになってしまったブログ。永年暮らした東京を離れ、現在は大阪を満喫中。


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