マザー ザ・ジャクソン・ファミリー・ストーリー/キャサリン・ジャクソン、小林礼子(のりこ)

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MJの『ムーン・ウォーク』、ラトーヤの『インサイド・ザ・ジャクソン・ファミリー』の後、本書を読みましたが、ブログには記録していませんでした。でも、マイケル、姉、母、父の『息子マイケル・ジャクソンへ』という、家族の「ジャクソンファミリーストーリー」が揃ったという意味もあって、こちらも記録しておくことにしました。

本書は家族全員に、驚くほど賞賛されているファミリーの母による『ムーンウォーク』の補助作品として、マイケルの誕生時、幼少時から、成功した後の作品づくりや、様々なビジネス面でも、詳細な内容になっていて、完成された本だと思います。ただ、わたしが気になったのは出版年で『ムーンウォーク』が1988年、『インサイド〜』は1991年『マザー』は1990年になっています。『マザー』が『インサイド〜』より先というのが、どうもよくわからなかったんですね。

出版年に、どうしてこだわるかと言えば、本書の「プロローグ」が、次のように、始まるからです。

「どんな家庭にも、どこかみんなと違う変わり者がいるのよ。それが私なの」ー ラトーヤ・ジャクソン 1985年

ラトーヤが『プレイボーイ』でヌードになった?!その噂を聞いた時、私は本当にびっくりしました。(中略)アトランティック・シティのトランププラザで行われた、1988年のあの子のショーのことを思い出さずにはいられません。あの子はその時それまでになく、セクシーというか、そそるような雰囲気で踊ったのです。(中略)

ゴードンは、私の夫でラトーヤのマネージャーでもあったジョーに彼女のマネージャーをさせて欲しいと頼みこみました。(中略)ジョーはゴードンと二人で、あの子のマネージメントをすることにしたのです。(中略)

私がとりわけ失望したのは、ラトーヤがニューヨークでゴードンに連れられて出版社めぐりをした(中略)その時私は『ムーンウォーク』でマイケルが受取ったよりも多額の契約金で、ラトーヤが出版社契約を済ませたことを知っていたのです。(中略)

ジャック・ゴードンが彼得意の大嘘を“醜い家庭の秘密”として世間に広めたのちも、何度か繰り返されました。その大嘘の中には、ラトーヤが八歳の時、ジョーにいたずらされたというものがありました。(中略)

結局ラトーヤは、本を書いているということを一度も認めず、1989年の始めに、私は真相を新聞で読むことになりました。「マイケルの本は素敵だけど、とても軽いわ」と記事の中であの子は言っています。「マイケルの本に書かれてないことが、私の本にはたくさん書いてあるわよ」(中略)

『プレイボーイ』のインタヴューの中で、ラトーヤは自分の行動をこう弁護しています。「家族のためじゃなく、私は私のための人生を生きなくちゃいけないから」あの子は、自分がヌードになることを誰よりもマイケルが認めたとみんなに宣言することによって、状況をさらに悪くしてしまいました。(中略)

ラトーヤが表紙を飾った『プレイボーイ』が、ニューススタンドを賑わせた直後、ラトーヤはテレビ番組『ドナヒュー』に出演しました。(中略)

ラトーヤの反抗を書き立てるだけでなく、マスコミは未だにマイケルの私生活について、いろいろ噂をして喜び、“ジャクソン兄弟の不仲”を記事にし、ジョーと私が子供たちから除け者にされているという話を書き立てます。(中略)

ここにあるのは、私が生きてきたジャクソン・ファミリーの真の物語なのです。それは、小さな夢から始まりました。


冒頭のマイケルと、兄弟たち(ラトーヤ以外)の、ちょっと度を超しているかな〜と思うような、母親大絶賛のコメントは、こういった事情によるものだったり、この出版自体がラトーヤ本が大きな原因だったことが、わかるでしょうか。

『マザー』の、冒頭のクレジットでは、Copyright(C)1990 by Bond Co.,Ltd. and Fuji Television となっていて、「訳者 あとがき」には、1998年6月、私たちは「エンシーノで最も有名な家」へと向かっていた。〜平成2年3月24日 小林礼子(礼は旧字)となっているのに、奥付には、1990年5月14日 1刷 となっています。

この表紙も洋書のようですが、デザインは渡邊かをる氏で、通常、翻訳本にはない、企画プロデューサー、制作プロデューサー、編集、編集協力に日本人名があって、Bond Co.,Ltd も、協力:株式会社ボンドという表記になっていて、やっぱり日本企画のように感じます。(同年に海外で出版されている「The Jacksons My Family」と内容が同じだと思われるんですけど、英語本は読んでいません)

出版当時は、ジョーパパ本と違って、アメリカで出版できない状況ではなかったはずで(実際、同年にアメリカ出版されている)、内容への介入や、出版まで内密にしたかったために、あえて、日本を選んだのか、また、ラトーヤの本の初版が本当に、1991年だとすれば、出版前に、それほど話題になっていたということになりますが、そのせっかくの話題づくりにしては、企画が早かったにも関わらず、ママ本よりも、遅い出版というのが、どうも理解できないんですね。(それと、翻訳本の初版は、一体いつ出版されてるんでしょうか?1991年?1998年?)

また、本書でも、ラトーヤの父による性的虐待のことが触れられていますが、わたしが読んだ、翻訳本『インサイド・ザ・ジャクソン・ファミリー』の初版と第二版(たぶん)には、その話は書かれていませんでした。

ちなみに、ラトーヤ本は何度も再販されているようで、翻訳本も第二版には写真が増えていて、それらは家族仲がいい写真が多いのですが、その中の1枚に「今は兄弟たちとわたしの愛の架け橋は電話だけ。いつかわたしたちが本当の家族となる夢を持ち続けています。(中略)家族全員がひとつの部屋で一緒に座りそして大声で話し合うことくらいすばらしいことはありません。といった、キャプションが・・・

ママ本だけを読んだり、世間の評判ではラトーヤの問題行動のように感じるかもしれませんが、プレイボーイのヌードの時(1989年)彼女はすでに33歳なんですよね。しかも、掲載されたヌードはとてもキレイで芸術度も高いものです。この頃のラトーヤは、世界一キレイな身体と言ってもいいぐらいの、ものすごいボディ!

多くの有名女優がヌードを体験していることを考えれば、このときの家族の態度は大げさ過ぎるんですけど、それもこれもマスコミとそれを受取る一般人により、マイケルにしてもファミリーにしても、もうこれ以上ないというぐらい“問題”が膨らむんですね。

これは、想像ですが、本の出版、ヌード披露は、ラトーヤにとって家族からの自立と今度の芸能活動にとって、重要な賭けだったと思います。ただ、家族がそれに反対したことと、ラトーヤによる宣伝のためのリップサービス、当時のマネージャーの方針、ファミリーを常に食い物にするメディア、これらが一体となり、本の実際の内容とはかけ離れた「騒動」になっていったんだと思います。お互いの発言が、メディア上で交されたことで、真に受けるファンも多かったのでしょう。

◎La Toya: Growing Up in the Jackson Family(1991)
http://www.amazon.com/Toya-Growing-Up-Jackson-Family/dp/0525933433/ref=pd_cp_b_0

◎Shocking and Controversial Expose of life in the Jackson Family(1996)
http://www.amazon.com/LaToya-Jackson-Shocking-Controversial-Expose/dp/0099726408

☆The Controversial Expose of Life In The Jackson Family
上記でなく、このタイトルの本もあるようで、こちらが先に出版されている模様。

ラトーヤ本の真の初版が、本当に、ママ本より後に出版されたのかは、まだ確定とは言えませんが、後から出版されたものの方が、内容が過激になっていることは、翻訳本の2版を読んだ印象や、この後の和解を考えるとありえないと思うんですね。

そういうわけなので、しつこいようですが、ウィキペディアにあるリビーとラトーヤの近親姦といった内容は実際には出版されていないと思います。ホント読んでもいないのに、暴露本とか、痛い姉とか、MJに対しての偏見と一緒ですね。。

また、この後のマイケルの父親批判も、ラトーヤが起点というか、援護射撃といった要因も、わたしは感じざるを得ません。この姉は、ファッションや整形なども含めて、とにかくマイケルに与えた影響は大きいですね。姉の方も、マイケルの中に自分を見ざるを得ないところがあって、共依存関係だと思います。『インサイド・ザ・ジャクソン・ファミリー』も『マザー』もイイ本なんですが、今再販するのは難しいんですね。きっと。。

2冊とも古本だとものすごく高いので、図書館でお探しくださいね。
_______________

[目次]
プロローグ
第一章「夢見るころ」
女優になる夢、歌手になる夢
小児麻痺との闘い
ジョー・ジャクソンとの出会い
ジョーとの再開
ジャクソン通りの家
ファルコンズ誕生

第二章「ジャクソン通りの子供たち」
ブランドンの死
マイケル誕生
みんな私の子供たち

第三章「踊りだしたマイケル」
哺乳瓶片手に
マイケルののぞき趣味
初めてあの子が歌った

第四章「ジャクソン通り2300番地のパズル」
2つのベッドルームに11人
バスタブ物語
もうひとつのパズル
厳しい冬の思い出

第五章「すべては神の御業」
危険な町ゲイリー
エホバの証人
子供には厳しく
ゲイリーからの脱出

第六章「ジャクソン・ファイブ誕生」
テレビのない夜に
モータウンサウンドに首ったけ
子供たちの音楽的才能
ステージの第一歩
タレント・コンテストに挑戦
そして喝采

第七章「モータウンへの道」
ジャクソン・フォーには大反対
練習・練習、そして敵なし
シカゴでもチャンピオン、ニューヨークも制覇
最後の手製衣装
モータウンのオーディション
 
第八章「夢のカリフォルニア」
大スターたちの前で
暴力の街
リビーとの別れ
ロサンジェルスに飛ぶ
初めての吹き込み
全米テレビネットにデヴュー
カリフォルニアにようこそ

第九章「歴史はこうして創られる」
四枚続いたベスト・ヒット
ファンの興奮は怖いほど
エド・サリバン・ショーに出演
マスコミの影響力
昔のままの子供たち

第十章「慣れが肝心」
昔のようにつきあって!
あつかましいファンには閉口
お金があるのは楽しい
エンシーノに買った家
困った同居人

第十一章「孤独なマイケル」
鼠が大好き
マイケルの子供っぽさとプロの一面
マイケル試練の時

第十二章「さよならモータウン」
ジャーメインの結婚
モータウンへの不満
ラスベガスで絶賛
モータウンからエピックへ

第十三章「家族の危機を乗りこえて」
苦しんだジャーメイン
モータウンの逆襲
『ザ・ジャクソンズ』苦戦
新たなる挑戦
『ディスティニー』の成功

第十四章「やるべきことはいくらでも」
マイケルが『ウィズ』に出演
シドニー・ルメット監督
俳優マイケル
クインシージョンズとの出会い
素晴らしいチーム
『オフ・ザ・ウォール』の成功と失望

第十五章「消えない胸の痛み」
マイケルは不幸せ?
ジョーとの生活
ジョーの浮気
離婚起訴

第十六章「勝利に向かって」
子供が怪我を!
ランディの大事故
もう一歩必ず歩くんだ
アルバムの名は「勝利」(トライアンフ)
最高のショー

第十七章「震えるほどの名誉と栄光」
マイケルの野望
ミュージック・ビデオに革命を
『ビリー・ジーン』の魅力
素晴らしかった『ビート・イット』
アルバム『スリラー』でカバーストーリーに
“モータウン25周年”のショー
ムーンウォークに全米が熱狂
運命のビデオ『スリラー』
グラミー賞七部門で受賞の栄光
ギネスブックに載る記録

第十八章「苦闘の末の“勝利”(ヴィクトリー)
ジョーから離れていく息子たち
新しいマネージャーとジョーとの争い
ビッグツアーを企画
わたしもプロモーター
マイケルが頭に火傷!
マイケル・ジャクソン火傷センター
弁護士たちに振り回される
大きな利益とファンの嘆き
『ヴィクトリー』ツアーの始まり
楽屋裏での楽しいこと、辛いこと
最高のショー、最高のアルバム

第十九章「楽しきわが家」
家の立て替え
マイケル好みの家
私のハウスアイデア
飾り付けの好きなマイケル
屋根裏部屋のジャクソン・ファミリー
マイケル・ジャクソン・ミュージアム

第二十章「落ち着いた仕事」
マイケルの変装好き
スポード狂マイケル
刑務所体験に大喜び
子供たちやファンとの交流
マイケルの年上の友人たち
ユル・ブリンナーが私の部屋に!
音楽への投資
あくなき挑戦

第二十一章「ジャネット、スーパースターに」
娘たちの才能
性格の違う娘たち
ラトーヤのアルバム・デヴュー
岐路に立つジャネット
娘の夫は麻薬中毒
ジャネットに救いの手
大きな賭
自分の手で“コントロール”できる喜び
素晴らしいアルバム『コントロール』

第二十二章「耐えるのよマイケル」
大がかりなプロモーション計画
難産だった『バッド』
CBSレコード史上最大の予約数
ゴシップにうんざり
涙の公開状
日本ツアーで大歓迎
兄弟が一緒だったら
偏見に満ちたグラミー賞

第二十三章「やすらぎの家」
常に記録を塗りかえる
ツアーの楽屋裏
マイケルの食生活
母と子の二人の時間
ショーの思い出はつきず
ビートルズに捧げるショー
マイケルの家でくつろぐ

第二十四章「マスコミが何を書こうとも」
笑えないゴシップ
父と子の緊張関係
愛情表現の下手なジョー
仲の良いジャクソン・ファミリー
子供たちとの過ごし方
ジェラシーに無縁な子供たち
ファミリー・ミーティングとファミリーディ
ジョーと私の生活

第二十五章「演じるべき役柄」
1989年のマイケル
ミュージカルの夢
マイケルの花嫁はどこに?
家族の絆は変わらない

第二十六章「ジャクソンズの伝統をもう一度」
アルバム・ラッシュ
のんびり屋のジャネット
私までビデオに
ジャネットの新しいサウンド
長く辛い道のり
グループのパワーを再結集
感動の『ジャクソン通り2300番地』

第二十七章「夢を追う家族」
こんな仕事、あんな夢
子供を思う母の夢
固い絆をもう一度

第二十八章「そして、これからも」



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by yomodalite | 2009-12-07 12:20 | ☆マイケルジャクソン書籍 | Trackback | Comments(0)

旧「読書日記と着物あれこれ」。歴史/文学/お笑いを好み、着物生活をしていたはずが、いつしかマイケルジャクソンのように本を読もうになってしまったブログ。永年暮らした東京を離れ、現在は大阪を満喫中。


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