悪魔学入門ー「デビルマン」を解剖する/南條竹則

聖書って難しいとあらためて思う今日この頃。MJの悲劇に関しても、メディアの問題もあるけど、宗教観の問題もかなりあるんじゃないかと。。。イエスの事を金髪、碧眼だと思っている西欧人は多いですし、彼が、神のことや、イエスについて語っている感じは日本人の感じ方とは、また別の感じがあるというか...

で、今頃になってルターの宗教改革とか、魔女狩りが気になったり....現在のようなマスコミという存在がなかったとしても、そういう集団ヒステリーの土壌が....とか、ぼんやり考えてはみるものの、よくはわかりません(苦笑)

で、悪魔のことも、やっぱりよくわからない。悪魔も、地獄も、日本では、なんだか、適当に輸入してますけど、本場は、そうではないというか、日本では、水木しげるの妖怪辞典に仏教界や、神道界が、反応するなんてことないですけど、あちらは、そうは行かないみたいです。

「聖書」は、とてつもなく重いというか、日本仏教も、神道も「聖書」がなくて、ホント良かったねーーと感じ。

わたしは、水木しげるの『妖怪辞典』も『墓場の鬼太郎』も読んでいませんが、水木氏は「自分の生き方の基本はゲーテ」と語っておられるようなので、もしかしたら、あれも、欧米の「悪魔辞典」の日本置き換えの可能性もあるのでしょうか?(『悪魔くん』というマンガもあるみたいだし...)

で、本書なんですが、デーモンとサタンは、どう違うの?という疑問に、日本で、もっともわかりやすく、答えてくれた傑作マンガ『デビルマン』から「悪魔」を探ったいう謳い文句で、著者は以前にも『悪魔生誕ーデビルマンの悪魔学』(未読)という著書を、共同編集により出版されているようなので、これは、もしかしたら、かなり、こなれた感じで説明いただけるのではないかと期待したんですが、残念ながら、そうではありません。

『デビルマン』や『魔王ダンテ』のマンガ掲載も多く、第一章は、『デビルマン』のデーモン族について、なぜ『デビルマン』は「デーモンマン」ではないのか?という疑問から始まり、期待が高まるのですが、この、冒頭での、デーモン、デビル、サタンの違いについての説明から、もう、いきなり学術的で、この先の話も『デビルマン』を読み解くといった内容では全然なくて、「悪魔」に、深い興味がある人にしか読めない、極めて学術的なもの。わたしのように、出来るだけ簡単に、かいつまんで説明して欲しい♡と思う人には、まったくお奨めできません。

キリスト教が、ユダヤ教、グノーシス主義と拮抗していた時代のこと、そこから、なにが異端と見なされていくかなど、すごく興味深いテーマが扱われているものの、この「入門書」を読む前に読むべき「入門書」が、何冊か必要と思われ、この内容で『デビルマン』を副題に出したのは、良質なツリと言えないかも。

目次に注目すると、すごく期待できるレファ本なんですが、本書の引用・参考文献の中から、3冊ほど読む方が、わかりやすい気がしなくもない(笑)。でも、第5章の「堕ちた神々の系統」、第6章の「悪魔の分類学」とか、第7章の「文学における悪魔」、付録の「ソロモンの遺訓」要約とかは、やっぱり感謝すべき内容。図書館で借りて、ざっくり読んでわかる内容ではないものの、購入して、ゆっくり考えながら読むには良い内容かなぁ。

[目 次]
序 — 悪魔との出会い
第一章 悪魔の正体
デーモンとデビル
デーモン=神霊
デビル=中傷者=悪魔
《サタン=敵対者》と《サタナス=悪魔》
第二章 悪魔の輪郭
悪魔ベリアル
アスモデウス
追放された天使
サタナエル
悪霊マステマ
堕天使とネフィリム(巨人)たち
さまざまな悪魔が登場する「ソロモンの遺訓」
第三章 新約聖書の悪魔像 —《誘惑者》とルキフェルの誕生
新約聖書の堕天使
悪霊の頭
誘惑者としての悪魔像
この世の支配者
マナセ王を惑わした悪魔
地獄の王ではなかったサタン—キリストの冥府下り
ルキフェルの誕生—美しい悪魔—
第四章 諸宗教の悪魔
グノーシス派の悪魔観
マニ教の悪霊
イスラム教の悪魔、魔物
ゾロアスター教の悪魔 
第五章 流刑の神々
悪魔にされた異教の神々
堕ちた神々の系統
異形の悪魔と異形の神々
前人類の物語
第六章 魔女狩りと悪魔学
悪魔との契約
魔女のしわざ
空中飛行とサバト
黒ミサ
魔女狩り
悪魔学の勃興
悪魔の分類学
悪魔の名前
第七章 文学における悪魔
『神曲』の悪魔 ルキフェル
ファウスト伝説と文学
マーローの『フォースタス博士』
ゲーテの劇詩『ファウスト』
異色の魔術師『マンフレッド』
レールモントフの『悪魔』
恋する悪魔
反逆者(=英雄)としての悪魔
創造者への怒り—永井豪の『魔王ダンテ』と『デビルマン』
付録「ソロモンの遺訓」要約
引用・参考文献一覧





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by yomodalite | 2010-07-10 21:07 | 宗教・哲学・思想 | Trackback | Comments(0)

旧「読書日記と着物あれこれ」。歴史/文学/お笑いを好み、着物生活をしていたはずが、いつしかマイケルジャクソンのように本を読もうになってしまったブログ。永年暮らした東京を離れ、現在は大阪を満喫中。


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