『顔』『歴史上の本人』『本人の人々』/南伸坊

このタイトルを見て、これは、「マイケル・ジャクソンの顔」と関係があるかもと、すぐに思われた方、貴方は、わたしと似た人かもw。。

WC期間中、どうしようもない哀しみに襲われたら....そんな万が一の「不幸」に備えるため。そして『黄昏』を読んだあと、南氏の「顔」シリーズを読み直したくなったことと、未読だった『歴史上の本人』に登場する人物を確認しておきたい。そんな気持ちに駆られて、3冊まとめて記録。

南氏が、本人になることで、自然に考え方も似てきて「本人」を疑似体験できるという理論を、実践しているのが『本人』シリーズ。

『歴史上の本人』
こちらは、雑誌「旅」’95年〜’96年までに連載されたものをまとめたもの。

・二宮尊徳 ー 金次郎はなぜ偉い?
・金太郎 ー 金太郎とは何者か?
・仙台四郎 ー この人は誰だ?
・松尾芭蕉 ー 奥の細道の謎
・シーサー ー シーサーは何処から来たか?
・キジムナー ー キジムナーの思想
・徐福 ー 徐福の謎
・聖徳太子 ー 聖徳太子外人説
・大村益次郎 ー ヘンな顔の偉人
・大国主命 ー 亜細亜の白兎
・左甚五郎 ー 甚五郎ってどんな人だ?
・清水次郎長 ー 次郎長、どこが偉いか?
・樋口一葉 ー 誇り高き少女
・西郷隆盛 ー 大人物
・小野道風 ー 蛙を見た日
・天狗 ー 私は天狗だ
・織田信長 ー 人間信長
・運慶 ー 運慶は私だ

この中で、まったく知らなかった「仙台四郎」とは、安政元年生まれで、身体の発育は普通だが言語を理解しない。ただし、妓楼、料理屋、旅館など、客商売をする店舗に、四郎が来ると必ず客が多く来るようになるという評判から「福の神」であったらしい、人物。

また、「シーサーは何処から来たか?」の話題は、個人的に、映画「THIS IS IT」の“Smooth Criminal”SFでの、MJの顔に繋がっていると思っていたこともあってタイムリー。

シーサーは、スフィンクスでもあり、狛犬は、建築家の伊藤忠太氏の説によれば、ライオンであるとのこと。ライオンのいない中国になぜ「獅子」という字があるかといえば、インドから伝えられたからだし、スリランカの古名は、シンハラ(ライオン国)、シンガポールはライオン城の意味。タイのシンハービアーは、ライオンビール。。。

南氏が、シーサーになって、想像したことによると、

シーサーは、中国を経由する前に、直接インドや東南アジアから入ってきたのではないか?獅子→シーサーではなく、シンハー→シーサーという可能性。唐獅子に似たシーサーではなく、赤瓦にのっている稚拙な味わいのシーサーには、南洋の面影がある。バリ島のバロンや、南方から、中国を経て日本に伝わった舞楽面に共通する「顔」である。

こういった、経由は、更紗(インド)が、アオザイ(ベトナム)に影響を与え、日本で更紗を作る職人のことを「沙室師(しゃむろし)」(沙室はタイのこと)と呼ばれ、インド更紗の影響から、日本の友禅が生まれたという可能性と、似た「ルート」を感じました。

さらに、シーサーである南氏(笑)は、

そもそもライオンは、人間の顔に似ていたのだった。人間の顔の中の威厳のある顔に似ていた。だからライオンは「百獣の王」と表現され偉い人の顔にたとえられたのである。

とのことで、やっぱりね〜。(って、なにが?)

映画「THIS IS IT」の“Smooth Criminal”SFでの、MJの顔については、いずれまた。。

それと、下記の『本人の人々』では、女性のなりきり度が低いと書いてしまいましたが、こちらの「樋口一葉」は、すごくいいです!
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「BOOKデータベース」歴史上に類例を見ない本人による歴史ルポ!顔面の人・南伸坊が、その屁理屈を武器に、二宮尊徳、聖徳太子、織田信長、樋口一葉、西郷隆盛、清水次郎長、大村益次郎、運慶ら、歴史上の本人になり、各地を旅した奇天烈本。JTB (1996/12)、文庫版 朝日新聞社 (2000/10)
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『本人の人々』
こちらは、既読だったにもかかわらず、今回もやっぱり笑ってしまいました。2003年に出版されているので、ちょっと懐かしいような「人々」も、当然登場しているのですが、ページを開くだけで、爆笑できる確率の高さは、他の追随をまったく許さない、驚異的なレベルの高さを誇っています。

7年後の今見ても笑えるのは、養老孟司、椎名誠、日野原重明、ベッカム、田中耕一、ドン・小西、手嶋龍一、宮崎駿など「男」に関しては、ほぼ、どんな種類の男に対してもなりきり度が高く、深いところで理解されていて、それと比例し爆笑度も高いんですが、

残念ながら、中村江里子、叶美香、デヴィ夫人、引田天功、梅宮アンナ、アニータ....といった「女」となると、そのセレクト自体が、もともと「ツッコミ」どころが多い人選ということもあり、少しレベルが下がるようです。

そんな中でも、一番理解度が低いと思われる「マイケル・ジャクソン」が一番面白くないと思うのは(やってた!)、わたしがMJファンだからかもしれませんが、、

南氏がこれをやった頃(2002〜2003年)、エイブラム裁判の写真を見てたらね...ま、でも、見てたら、恐れ入って、本人になろうなんて思ってもみないとは思いますがw

そんなわけで、MJ vs.南伸坊の「顔芸」対決は、やっぱりマイケルの勝利!!

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「担当編集者からのコメント」まだノーベル賞選考委員会の方々は気づいていないようですが、「顔面学」(*1)というユニークな分野を切り拓き、画期的な「本人術的理論」(*2)を提唱・実践しているのが、本書の著者・南伸坊さんです。これを広く一般の方々に伝えていこうとするのが本書の狙いですが、決してムズカシイとかヤヤコシイということはありません。ただ、笑っていただければ理解できる仕組みになっています。生きているといろんな顔の人間に出会います。気になる顔もたくさん出現してきます。また、自分にもいろんな顔があることに気づきます。世の中には似た顔の人が3人はいるというふうな伝説まであります。……で? シンボー博士は日々、考えるのです。「オモシロイ」と。本書には、まだまだバラエティ豊かな面々が登場します。どうぞ、ゆっくりとお楽しみください。

*1=顔面と脳の緊密な関係を追究しようとする学問(人は顔を見てその人の個性を読み取るが、その表情を支配するのが脳である)。
*2=外見を似せ、本人になりすますと、自然に考え方も似てきて、「本人」を擬似体験できるという理論。マガジンハウス (2003/11)

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『顔』
こちらは「漫画サンデー」に連載された「顔面科学」を項目別に分類し、再構成したもの
'95年出版。軽いコラムのはずなのに、本の厚みそのままのたっぷり過ぎる内容。これほど顔面に関して網羅した本は他にないかも。

「顔面によるまえがき」

「顔面コラム」/時代劇顔、人面考、若人あきら事件の教訓、この人の前世、顔面回数など。。。

「美人論」/ピカソみたいな顔、美人考、ブス考、平均の顔、普通の顔。。

「ソックリ顔面」/映画より奇なり、不謹慎顔、似てると何故オカシイか?、使用前使用後、何が似せているか、ソックリなのに。。。

「顔面分類考」/オバさん度数、やせても美人、学校顔、十二支顔、顔がコワい偉人、歴史上の同一人物、西郷隆盛の謎、なぜ宇宙人は東洋系か。。

「顔面部品考」/アイメイク考、生え際の魔術、遠山の金さん現象、眉芸、ヒゲの責任論歯できまる顔、顔の形容。。。

「顔面学概論」/顔がデカイ話、万有顔面説、公私の笑い、顔を見る脳ミソ、明治生まれの新人類、快感の表情、顔面認識のカラクリ、まとまらないまままとめ。。。

「顔面によるあとがき」
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「MARCデータベース」顔面的思考とは何か。そして、顔面学とは。ナゾだらけの顔面をあえて理屈の俎にして顔面の人・南伸坊が、いま世に問う珍妙の顔面学事始め。われわれは顔からどんな情報を得ているのだろうか。筑摩書房 (1995/02)

文庫版「 BOOKデータベース」ひとの顔はその人固有のものなのだろうか。古来、自分の顔を見たことのある人はひとりもいないのであるから、顔の解釈は常に他人にゆだねられている。そこで、この本があるのだ。顔の中に別の顔をすべり込ませたり、意外な人たちの類似に深い意味を見出したり、まったく顔が変るほど面白い本。筑摩書房 (1998/01)





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Commented by pyt at 2010-06-21 21:46 x
なるほど、センパイのMJ顔研究には、既にこのような本を読んでいたという土壌があったわけね、顔面学の。

で、「シーサーは何処から来たか?」の話題が、顔について(1)の、バリの仮面=日本の狛犬=シーサー=ライオン繋がりでタイムリーなわけ?
確かにT I I内のSFスムーズ・クリミナルのMJのメイキャップに似ているところがあるよね。あれも、“わざと男前にはなりたくない”の一環?
でも私はね、このスムーズ・クリミナルの顔は、別の意味で思うところがあったのよ。。それは、いずれまた。。。

ここでちょっと質問!顔シリーズ(1)は、最終的にシリーズの最後へと繋がっていくの?それともこの(1)だけ、最後まで単体の別の読み物なの?

で、今回の本3冊も、かなり面白そう。特に「本人の人々」。でも既に、O嬢と、もしかしたらお召し物の心配をされてしまうかもだけれど、時代劇好きには特にお薦めでしょ?の宮木本を、再びポチってしまった身にとっては、これ以上のポチは二の足踏むわ~(笑)

ところで、昨夜の会話の中で、私は何キャラなの?って聞いてたけど、あれって、素で聞いてきたの???
Commented by yomodalite at 2010-06-21 22:26
センパイ。(・・,*) グスン 年上でもないし、ホントは妹キャラなのにぃ〜

でも「顔について」は、南氏の顔面学に影響されたところはないと思う(笑)

>顔シリーズ(1)は、最終的にシリーズの最後へと繋がっていくの?それともこの(1)だけ、最後まで単体の別の読み物なの?

(1)が最終っていうのも変なんだけど、でも、最後に(1)を書き直そうと思ってるの。現在のは、完成度が低過ぎるから。。単体になるのかなぁ

「本人」は、もうページ開くだけで笑えるから、なんかツライときに思い出して♡
これ、図書館にあるよ。きっと。

>素で聞いてきたの???
うん。センパイキャラや、Sキャラでは聞いてないけど。。♡
Commented by りこりす at 2010-06-24 22:48 x
はぁ~なんか南伸坊さんの顔を見ると落ち着くわ~。
同じおにぎり顔だからかしら?
はっ!って言うことは、私も頑張れば養老孟司や椎名誠になれるってことでは??タマちゃんには余裕でなれる気がするし♡
と、言うわけで「本人の人々」読みました。
本当にyomodaliteさんっていろんなジャンルの本を読んでるんですね~。
この本、本人になりきった写真もさることながら、文章にも笑えました。本当に本人が言いそう!
外見を変えると中身も変わるってわかるような気がします。
ちなみに図書館にありました♪

ますます「顔について」の続きが読みたくなりました~!
どこまでも連れてってくださいっ。

それと、yomodaliteさんはやはりお蝶夫人のようなお嬢様キャラでは??
Commented by yomodalite at 2010-06-26 15:24
わたしだって、養老にも椎名にもタマちゃんにもなれる!って思わせる南氏ってスゴい!でも、最後のひと言にはむせそうになりました。。う〜ン、お蝶婦人を徹底的に「逆」にしていくと、結構近いかも。。チビだし、ショートだし、面長じゃないし。。。
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by yomodalite | 2010-06-09 18:34 | エッセイ | Trackback | Comments(4)

旧「読書日記と着物あれこれ」。歴史/文学/お笑いを好み、着物生活をしていたはずが、いつしかマイケルジャクソンのように本を読もうになってしまったブログ。永年暮らした東京を離れ、現在は大阪を満喫中。


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