映画『マン・オン・ザ・ムーン』『もどり川』『ぼくんち』

f0134963_17383892.jpg
ケーブルTVを契約していて良かったと思うのは、映画館には観に行かないし、DVDも借りることないと思うけど、たまたま観たら、なんとなく印象に残る佳作に出会えることだと思っているのですが、そんな映画を3本まとめて記録。

『マン・オン・ザ・ムーン』監督:ミロシュ・フォアマン、主演:ジム・キャリー

実在のコメディアン、アンディ・カウフマンを描いた映画。
わたしは、コメディやコメディアンが大好きで、コメディアンの映画も大好きなので、こういった映画を面白くないと思ったことはないんです。たまたま笑えなかった場合は、字幕が悪くて、吹替えじゃなかったからとか、体調が悪かったと反省したり、再挑戦しなくてはと思ったり...そもそも、笑える、笑えないの問題じゃないんだとかね....w



f0134963_1740144.jpg
『三バカ大将』だって、デジタルリマスター化され、新しく吹替え版を創ってくれれば、きっと面白いに違いないと、ずっと思っているのですが、こちらは、このままで充分素敵な映画です(笑えませんけど...)
f0134963_17404744.jpg
f0134963_17413723.jpg
f0134963_17422675.jpg
f0134963_17423984.jpg
カウフマンは、自分はコメディアンじゃない。シットコムなんか大嫌いなんだと
言うコメディアン。
f0134963_17432886.jpg
f0134963_1744162.jpg
f0134963_17441788.jpg
コメディアンもシットコムも愛しているけど、カウフマンへの愛おしさが募ります。
忘れたくない映画なので、写真も記録しておきます。
f0134963_17444171.jpg
[Amazon.co.jp]
子どもの頃から人を笑わせるのが好きだったアンディ・カフマン(ジム・キャリー)はクラブを転々としながら細々とコメディアン稼業を続けていたが、ひょんなことから人気TVバラエティ番組「サタデー・ナイト・ライブ」に出演することになり、またたくまに人気を博すようになるが、彼の笑いは次第にエスカレートしていき、周囲の怒りを買うことに…。

35歳でこの世を去った伝説のコメディアン、アンディ・カフマンの人生を『アマデウス』など、型破りな人物を好んで題材に取り上げる名匠ミロシュ・フォアマン監督が描いた伝記映画。現代の過激なコメディアン、ジム・キャリーがアンディのパフォーマンスを忠実に再現する熱演を見せてくれている。ベルリン映画祭監督賞やゴールデングローブ賞主演男優賞など受賞の秀作。(的田也寸志)アメリカ1999年公開

☆出演:ジム・キャリー、ダニーデヴィート、コートニー・ラブ

_______________________________
f0134963_17592018.jpg
『もどり川』監督:神代辰巳、主演:萩原健一、樋口可南子、藤真利子、原田美枝子など

原作の連城三紀彦『戻り川心中』は、感想を書くことを躊躇うほどの、めったにない傑作短編集。

監督の神代辰巳という名前に、わたしは、自分より何世代か前の青春の重さを感じて、今まで、あまり興味がなかったのだけど、『もどり川』に惹かれて観て正解でした。わたしがもし女優だったら、深作より、神代に撮られたいと思わせるような、男から見ても、女から見ても「イイ男」の匂いが感じられる映像です。

原作の味わいとは、まったく別物なのですが、原作が、純文学と推理小説の奇跡の合体技だとすれば、こちらの映画の奇跡は、近松でなく、様式美でない「心中」が表現されているところでしょうか。

わたしが、あまり映画を知らないせいも多分にあるとは思いますが、どうも「心中」を映画で扱うのは、難しいと思ってたんですね。

主人公の歌人、苑田岳葉は、自らの心中未遂事件を詠った桂川情歌で有名になった男で、この映画はいわゆる「心中映画」ではないのだけど、むしろ、そのことが、情愛やリアルな心中の本質に迫っていることと、女優は、原田美枝子、藤真利子、新人時代の蜷川有紀、樋口可南子という順番で、クレジットされていますが、観る人によって、一番印象に残る女優が違うと思われるほど、全員が魅力的で、脱ぎっぷりも同様。官能的な描写は、豊富でしかも濃厚と言えるのだけど、不思議と清潔感があって、男よりでも、女よりでもない。

他にも、池波志乃、加賀まり子など驚くほど魅力的な女優と、高橋昌也、常田富士男、橋爪功、米倉斉加年といった、素晴らしい俳優が出演。当時、男の魅力全開だった時期のショーケンが歌人、苑田岳葉の成功へのギラギラした熱情を迸らせ、演じているのだけど、これら全てが重たくなっていないのは、出演した俳優たち全員の上質感のなせる技だけでなく、監督の手腕によるものでしょう。
f0134963_181582.jpg
これを、今、創ろうとして、まったく出来そうにない感じは、女優の裸の価値以上に、何なんだろうと思う。

これを観た後、神代監督の映画をもっと観たくなったのだけど、録りため期間が長かったため、日本映画チャンネルの「神代辰巳特集」は終わってました。いつか「赫い髪の女」とか、萩原健一主演の『青春の蹉跌』なども観てみなくては。

《あらすじ》結末に触れています!

今日も苑田岳葉は、浅草・十二階下の遊廓の千恵のところに来ていた。そんな岳葉を外で待つ妻のミネ。ミネは胸を煩っていた。歌風のことで村上秋峯に破門された岳葉は、その夜、前から心ひかれていた秋峯の妻・琴江のところに強引に忍び込み関係をもつ。

二人は駈け落ちの約束をし、琴江は駅で岳葉を待つが、彼は秋峯に姦通罪で訴えられて刑務所に送られた。刑期を終えた岳葉は、琴江が十二階下に居るという噂を聞いて出かけ、そこで関東大震災に遇う。その混乱のなか、岳葉はミネを療養所に入れ琴江を探し出すが、彼女は娼婦になっていて岳葉を冷たく突き放すのだった。首をつろうとしていた岳葉のところに、彼のファンだという音楽学校の学生文緒が訪れた。文緒は銀行頭取令嬢で、岳葉との交際を親に知られ家からでることを禁じられたが、姉・綾乃のはからいで京都へ演奏旅行した際、桂川のほとりの旅館で岳葉と落ちあった。岳葉から心中を持ちかけ、手紙で琴江に知らせるが返事は来ない。心中は未遂に終わり、それを詠った桂川情歌で岳葉は有名になった。

そして自分が誰かの見替わりだと気づいた文緒は自殺してしまう。ミネを見舞った療養所で、岳葉はもと詩人で今は社会主義運動家の友人・加藤の妻・朱子と知り合った。加藤は胸を煩っていたが、大杉栄が殺されてから過激になり、持ち歩いていた爆弾で彼を追って来た警官と共に爆死してしまう。岳葉は朱子に心中をもちかけ、知らせを聞いた琴江が二人のいる旅館にやってきた。岳葉と琴江が話している間、朱子は岳葉のノートを見つける。そこには心中が未遂に終わり、そのことを詠った歌が書かれていた。夜になり、船で川へ出た二人は薬を飲む。朱子はノートを見たこと、薬を替えたことを言い、昏睡状態におちいった岳葉を死んだものと思い手首を切る。その様子を川のほとりから見つめる琴江。夜があけ、村人に発見された岳葉は命をとりとめたが、そこに琴江の死体があがったという知らせ。それを聞いた岳葉も、自ら命を断つのであった。


_______________________________

『ぼくんち』監督:阪本順治、主演:観月ありさ

西原理恵子原作ということが、冒頭からビシバシと伝わる、ビンボーな漁村の、本当にビンボーな人間たちの港。母(鳳蘭)は、2人の幼い子供がいながら、長く家を空けていて、ある日、娘(観月ありさ)と一緒に帰ってくる。しかし突然登場した、姉の存在に驚く兄弟を残して、母は、またもや姿を消してしまう。今度は家すらを売り払って....。

観月ありさが、こんなスゴいセリフを?と思うほど、うらぶれた港町のたくましくて、弱い女を熱演し、子役の兄弟の、あまり可愛くないリアル感や、真木蔵人、今田耕司、濱口優、新屋英子、笑福亭松之助、志賀勝、岸辺一徳、名前はわからないけど、弟の同級生の女の子など、出演者がすべて魅力的。

原作ファンに、あまり評価されてないようだけど、阪本監督の「ぼくんち」は、ライトなマンガキャラから、リアルな映画への変換として、とても良く出来ていると思う。

解説: 一太と二太の兄弟は、うらぶれた水平島の中でも特にビンボーな人間たちが集まっているうらの港に住んでいる。彼らには元から父親がいない上、母・今日子はもう半年も家を空けている。その母がある日、離れて暮らしていた娘のかの子を連れて帰ってきた。今日子はまたすぐ出ていってしまったが、姉かの子が母代わりとなり、水平島のおかしな面々に暖かく見守られながら、兄弟にとっては貧しくも楽しい生活が始まる。だがそれも束の間、今日子が新しい男に貢ぐため家の権利書を売却してしまい、3人は家を追われる羽目になってしまう…。
[PR]
トラックバックURL : http://nikkidoku.exblog.jp/tb/13741429
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
Commented by yumiko at 2010-05-19 00:10 x
マイケル…(9)で井戸端会議を続行してました。
マイケルの写真みて、記事を書いて、映画を3本もみて、スゴイ。
1日何時間あるんですか?
Commented by yomodalite at 2010-05-19 05:47
いやいや...1ヵ月ぐらいの間で、これは記憶に残しておこうって思ってたんだけど、マイケル疲れでなかなか書けなかったのと、マイケルファンの邪魔にならないタイミングを計ってたら、ようやく昨日になったってことなの。たぶん、1日は24時間だと思う。ただ、MJを書き始めてから、何気に早起きしてたりして(爆)
Commented by showken-fun at 2010-06-03 07:08 x
はじめまして。
唐突ですが、こちらの記事を、ウチのブログにリンクさせていただきたいんです。
どうぞよろしくお願いいたします。
Commented by yomodalite at 2010-06-03 07:47
showken-funさま、はじめまして。リンクもトラバもご自由に。というスタンスです。ショーケンさんの熱心なファンの方に目を留めていただけて光栄です。
名前
URL
削除用パスワード

※このブログはコメント承認制を適用しています。ブログの持ち主が承認するまでコメントは表示されません。

by yomodalite | 2010-05-18 18:10 | 映画・マンガ・TV | Trackback | Comments(4)

旧「読書日記と着物あれこれ」。歴史/文学/お笑いを好み、着物生活をしていたはずが、いつしかマイケルジャクソンのように本を読もうになってしまったブログ。永年暮らした東京を離れ、現在は大阪を満喫中。


by yomodalite