マイケル・ジャクソンの顔について(4)Invincible

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冒頭の写真は“Smile”(1997)のプロモーションから。

前回、醜形恐怖ではないことを証明するために時系列がバラバラになってしまったので少し整理します。

◎オプラショー(1993)
◎リサ・マリー・プレスリーと結婚(1994ー1996離婚)
◎アルバム「ヒストリー」(1995)
◎ヒストリーツアー(1996−1997)
◎デビー・ロウと結婚(1996ー1999離婚)
◎長男プリンス誕生(1997.2.14)
◎“20/20”バーバラ・ウォルターズのインタヴュー(1997.9.13)
◎「ヒストリー」ラストシングル「スマイル」発売キャンセル(1997.12.3)
◎長女パリス誕生(1998.4.3)



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リサ・マリ−と離婚し、デビー懐妊後が、セクシー金パンの「ヒストリーツアー」、“20/20”の頃は、プリンスは7ヵ月でした。

しかし、童貞やゲイ疑惑は、結婚、子供誕生を経ても止まらず、マスコミの執拗さも異常ですが、そこまで疑わせる、マイケルの個性も、本当に不思議です。

リサ・マリーや、デビー・ロウという相手も絶妙なチョイスというか(笑)

彼が出演するTV番組のほとんどに共通するのは、冒頭で、これまでに前例がないほどの成功と、老若男女がアーティストとしての素晴らしさを絶賛し、若者の異常なまでの熱狂を紹介した後に、なぜか、驚くほど冷静で挑戦的な態度のインタヴュアーが、ありえないレベルの失礼な質問をする・・・


超失礼なインタヴュー例。
ダイアン・ソーヤー「プライムタイム」(1995)




大衆の熱狂をここまで見せつけられて、それとまったく正反対の態度でいられるのは、マスコミの大衆操作と、あまりにも真逆な存在であるMJに対しての反発というか、怒りなのでしょう。

マスメディアの、大衆を操作しているのは自分たちだという自負心は凄まじいものです。大衆が「マスゴミ」と言い出し、斜陽産業として認識し始めていても、依然として、彼らの「大衆」に対しての傲慢さというのは全然変わってませんからね。

前回、ヒストリーツアーを終えてから、徐々に今までのような「笑顔」を見せてくれなくなった。と書きました。

「ヒストリー Disk2」の最後の曲、「スマイル」のシングル発売とショートフィルム制作もこの頃、キャンセルになっています。


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彼とマスコミとの戦いは、MJのあまりにも明確な目標や使命が、すっかり「神が死に絶えた」現実の中で、まったく真剣に受け止められることがなかったことと、彼自身もそのことを完全にわかったうえで、絶対にあきらめないという姿勢が生んだものだと思うのですが、ダイアン・ソーヤーと、バーバラ・ウォルターズのインタヴュー後、“Smile”発売をキャンセルし、その後、徐々に自然な笑顔がなくなっていったのは、自分だけでなく、妻までバカにされ、子供にまで、という彼の“怒り”スイッチに完全に火がついた、という理由もあったのではないでしょうか。

そして、この頃、彼が表現したかったことは、たくさんあると思うのですが、

▼この時期の代表的な出来事

◎30周年記念コンサート(2001)
◎ファーストシングル「You Rock My Would」のSF
◎ヴァージンメガストアでのサイン会(2001)
◎「メン・イン・ブラック2」のエージェントM役(2002年公開)

この中で、サイン会と、エージェントM、30周年コンサートでは同じ顔でも別の表現をしていると思います。

30周年コンサートは、個人的に思い入れが強いので、先にサイン会等の方を片付けちゃいますね。

まず、サイン会の動画はこちらです。


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このときのMJの顔は、今までにない違和感を感じた人が多いのではないかと思うんですが、彼はKING OF POPと言われるようになってからはやっていなかったレコードショップでのサイン会とか、人の中に入っていこうとしているようです。

このサイン会の見どころは、10代と思われるブロンドの少女を、サイン会後、お持ち帰りしようとする(実際にそうしたかは別として)MJが見られるところなんですがw、普通なら、40過ぎの男の行為として完全に非難されるべきところを、なぜかMJの場合「意外と普通じゃん」と人々を安心させてしまうという点ですね。

「メン・イン・ブラック2」が公開になったのは、翌年 (2002)。


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えっ〜っと、お笑いやるために、「整形」したと言いたいわけではないですよ(笑)
絶対ないとは言いきれませんが(笑)

このとき、この顔のMJの心情はこうだったろう、という想像なんですが、

“THIS IS IT”のスタッフのコメントでも、彼の面白さを語る人が多いですが、私たちは、それをあまり見る機会がなかったですよね。

というか、あまりにも、なんでも「整形」とか「奇人」とかと結びつけて報道されるので、彼の笑いのセンスはなかなか届きにくかったと思うんです。今までエディ・マーフォーや、クリス・タッカーなど、彼は超一流俳優だけでなく、超一流コメディアンといつも付き合っていますし、彼はかなりのお笑い好きです。

「メン・イン・ブラック2」は、1作目が大のお気に入りだったMJが、相当しつこく出たいと迫ったらしく、その熱意に監督が折れて、極わずかながら出演が決まったようなので、この頃、彼が「変な役」を演じることに熱中していたのは間違いないでしょう。

顔の輪郭とか、鼻の角度など、同様の顔は見られても、この頃の表情は、これ以降はまったく見られないのは、「演技」という可能性も捨てきれないと思います。

裁判フォトを見て、気づいた人は多いと思いますが、彼は相当色々な表情をもっていますよね。動画で、同じ日を確認すればわかるのですが、あの短い時間、そして、あの過酷な状況で、あれほどの多才な表情を撮られるというのは、本当にありえないことだと思うんです。

マイケルには毎朝、顔を洗うときですら、鏡を見ているのかどうか怪しいと思われる部分もありますが、演技の研究としては、よく鏡を見て研究をしていたと思える節があるので、それを使いこなせる監督がいなかったことはとても残念で悔やまれますね。

Smileの発売キャンセルは、お笑いに、マジ真剣になっていたMJにとって、

「今“チャップリン”って、ちゃうやろ?」という判断もあったのではと思うのは妄想でしょうか。

注:上記は妄想というか妄言でした。MJは、めちゃめちゃチャップリンを尊敬してますから、ありえないんですけど、一瞬この場で笑いが欲しかったんですw。

チャップリンに関しては、「マイケル・ジャクソンの顔について(16)」をご覧ください。

彼は好きなお笑いとして、いつも「三バカ大将」と答えていましたが、これは、若手女優が、憧れの女優として「夏目雅子」とか、アイドルが「山口百恵」とか、言うのと一緒でエディー兄さんや、クリス兄さんに気を使っているんですよ(笑)

注:これも、上記同様の理由による妄言で、MJと「三バカ大将」については、「MJとThree Stooges」をご覧下さい。

わたしが、この頃のMJから感じるのはローワン・アトキンソンですね。Mr.ビーンの。MJは、昔からチャップリンの物まねはすごく上手でしたが、わたしには、この頃、ローワン・アトキンソンを研究していたマイケルが、かなり、リアルに想像できるんですけど....どうでしょう?







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ローワン・アトキンソン&マーク・レスター



特別番組で「プライベートビデオ」を紹介するMJ





念のためもう一度言っておきますが、お笑いやるために、「整形」したと言ってるわけでは、全然ないですからね。マジでw 確かに、鼻が更に上に向いて、鼻と口の間を伸ばしたようにするというのは、その目的なら、まさに合点がいきますけどね(笑)

とにかく、どうして、この頃、こういう顔になっているのかはわかりませんが、MJはこの顔が「FUNNY」だという自覚はあるんだと思うんです。それと、この1年後がバンビアワードなので、この「顔」の時期はかなり短いんですね(2001年のみ)。

以上のことから、私が納得できるのは、

この頃の「顔」は、何らかの事情で変化しているように見えますが、MJはそれを気にするどころか、むしろ「転んでもただでは起きない」精神で楽しんでいるのかもしれないということです

彼はこの頃、お怒りモードだった。でも、あまりにも洗練されたパフォーマーである彼には、怒りをストレートに表現するなんて、出来ないんだと思います。

お笑い好きなら、笑いが「怒り」の知的で洗練された表現だということは、あたりまえのことでしょう?

と、まあ、そんなこともあるかもしれない。と心に留めて頂いて、

次こそは、「30周年コンサート」について。



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Commented by yumiko at 2010-04-19 00:08 x
だんだん、話がむつかしくなってきました。
ウーン、そうね。サイン会くらい、もっと笑ってもよさそうなのにね。服はテロテロですね。
Commented by mika at 2010-04-19 00:17 x
爆笑させていただきました!!!
Commented by sho at 2010-04-19 11:04 x
「お笑いに、マジ真剣になっていたMJ」って・・・
それは全く想像していませんでした!

そこでちょっと思ったのが、「You rock my world」でクリス・タッカーと共演しますよね。あの歌って、歌詞だけ読むとすごーくロマンチックなラブソングなんですけど、SFを見ると「イイ女をナンパしてものにする話」になってますよね。アルバムの中の冒頭のセリフは、軽いノリで「あの女はムリだ」と言うクリスに、「まあ見てろよ」というマイケル。
SFでのセリフは「Beat It」「Dangerous」とかMJの曲名を随所に入れていたりと遊び心もありますし、道に面したお店で二人がご飯を食べてるときに、女性が通り過ぎて一目惚れするんですが、食い逃げしちゃったり(笑)、忍者のようにダンサーが上から降って来たり、結構突っ込みどころ満載よね、、、。


Smileって発売キャンセルされた曲だったんですか〜・・・知らなかった。
あの歌、本当に好きです。聞くと救われる気がします。
Commented by sho at 2010-04-19 11:21 x
「You rock my world」フルバージョンを今見直してみたら、
バーで女性にまとわりつくMJが田原俊彦にダブって見えました(笑)。

「この時のMJのメイクは、やりすぎでしょ・・・」と思いますが「funny」を意識していたのかしら・・・
Commented by yomodalite at 2010-04-19 14:14
Thank you ALL!!♡♡

お笑いとMJは切っても切りはなせない重要ポイントだよね。そうでなかったら、あんな状況を長年耐えることできないよ。“Smile”も、あの“HIStory”のラストに入れたっていうところがさぁ、本当に強くて優しくて、キングだよね〜(しみじみ...)

“You rock my would”のメイクは、むつかしいよね〜
あのメイクで、どうやって女引っ掛けるのよ(爆笑)
どんだけダンス上手くても無駄だっつーの(笑)

彼がやりたかったのは、クリスとの絡み(“ボルサリーノ”のA・ドロンとJ・P・ベルモンド)や“スムーズクリミナル”に引き続き、アステアやサミーへのリスペクト(バーカウンターの上のダンス等)とフィルムノワールの今昔の融合を全部ミックスして、カッコいい音楽に乗せることだったと思うんだけど、どうしても、見る側は、彼の顔の造形的変化が気になりすぎちゃう....メイク自体はFunnyというよりは、多分、抽象化・仮面化だと思うけど。

そういえば、田原俊彦、ライブでデンジャ完コピしてるよね。
Commented by yomodalite at 2010-04-19 17:32
サイン会は、わたしも最初は違和感あったけど、今は結構好きなんだよね。
だって、このクラスのスターが(比べる人がいないほどですけど)CDショップでサイン会ってありえないじゃん。

みんなが「ありがとうございます!」って言うのを直接聞いてあげるよ。ぐらいの姿勢でいいんじゃない。キングオブポップなんだから。

なんかね、王様が淡々と仕事をこなしている感じが、妙にハマるんだよね♡
Commented by yumiko at 2010-04-20 00:52 x
王様が、淡々と…。見えなくもないですね。妙に納得。
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by yomodalite | 2010-04-18 14:07 | マイケルの顔について | Trackback | Comments(7)

旧「読書日記と着物あれこれ」。歴史/文学/お笑いを好み、着物生活をしていたはずが、いつしかマイケルジャクソンのように本を読もうになってしまったブログ。永年暮らした東京を離れ、現在は大阪を満喫中。


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