DVD“THIS IS IT”感想

2枚組なのに(タワーレコード限定版)、ステージ使用の新SFの完全版が全然入ってないとか、他の映画の予告編とか、特典映像部分の字幕が選択できないなどSONYには不満が一杯ですが、やっぱりブルーレイを買うのは、映像が3D化されてからでもいいんじゃないかな。

そういうスペクタブルな部分でないリハ映像や、スタッフの思い出の方が、やっぱり、この映画の魅力を理解するにはいいのかもしれません。特典映像から見始めたんですが、とにかく、ダンサー、スタッフ全てが、これでもかと思うぐらい超絶賛コメントの嵐で、本当にもうおなか一杯というか、“洗脳ビデオ”を観ているような気分にもなってくるのですが、それでも、彼の場合はやっぱり当然のことだと納得してしまう。

Michael Beardenが、“カムバックにかける想い”の中で、ライトマンから登場した彼が、どれぐらい、その瞬間を引き延ばすかについて「みんなで賭けた」というエピソードを語っていて、ちょっと笑いました。

マイケルが何分じっとしているか? ベアデンが何分を予想したかは、DVDで観て確認して欲しいのですが、でも、実際、彼にとって、どこから引き延ばしていたのか、それは、もう何年も前からだったんじゃないかという気もしてきました。

また、この作品が、どうしてこれほど魅力があるのか、映画館で観たときには、わからなかった部分も徐々にわかってきた気がします。

わたしは、振付けが、以前とどんな感じで変わっているのかなぁという点に注目して観ていたんですが、そういう視点でみると、「ヒストリーツアー」のDVDを発売しなかった理由も、彼が自らの最高傑作をどう考えていたかもだんだんわかってきて、しばらく“お口ぽかん”という状態になってしまいました。。。

こんなこと、書いていいか、わからないけど、あの麻酔医を雇ったのは、もしかして...とさえ思ってしまって困ってます。

Kenny Ortegaが、“カムバックにかける想い”の中で、「マイケルを希代のエンターティナーにしたものは、彼のタイミングだ」と語っています。

映画の中でも、彼が何度も“タイミング”にこだわる姿が映し出されていますが、
本当に、この公演を決めたタイミングも、そして、彼の死さえも...と考えずにはいられないんですよね。

同じく“カムバックにかける想い”の中で、プロデューサーのRandy Phillipsが、2年前に出演交渉したときに、「まだ、そのときではない」と断られたというエピソードを語っています。

今回それが実現した理由を、MJは、「子供たちはももう僕の仕事が理解できるし、 僕も今なら見せてやれる」と語り、50公演に追加する条件に、ギネス認定の手配も忘れていません。

子供達へという理由は、もちろん一番大きい理由だとは思いますが、タイミングを計っていた中には、プリンスの2007年のO2アリーナ公演後、というのもあったと思います。とにかく、彼ほど「世界一」を、実際の数字でこだわったアーティストも少ないと思うんですが、まったく説明のいらないショーを目指し、未完のまま、大勢のスタッフにそれを語らせる。これが「実現してたら。。。」という、大勢の人たちの想いは、これを“エンターテイメント界の頂点”とする伝説の命を永らえさせることでしょう。

最後のリハーサルの映像が公開された当時は、彼がどれほど無念だったろうか、と悲しく思ったけど、何度も映画を観て、このDVDで大勢のスタッフが、舞台裏を語るのを聞いているうちに、もう、ここまでで「完璧」だった。彼が望んだ「究極」に達していたんだと思えてなりませんでした。
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ザルディのめちゃめちゃキレイな衣装を着たマイケルも観てみたかったけど、この映画がなかったら、普通にダンディでカッコいい大人の男のMJは見られなかったし、変化の激しかった彼の素顔に、新たに加わった“円熟した男の顔”は、ステージだけでは見せられなかったと思う。

オルテガは、特典メニュー「カムバックにかける想いー ショーを超えて」の中で、
Kenny : 「マイケルと僕にとって単独パフォーマンスは重要だった。花火も特殊効果もなしで彼が舞台に立つ」と語り、ステージでMJが“Human Nature”を歌う映像が流れましたが、映画“THIS IS IT”の魅力のひとつは、ここにあったと思います。

コンサート音響スーパーバイザーの「ピアノ伴奏だけで彼が歌っても十分で、観客は歌に込められた情感を感じるだろう」という発言は、まさしく、そのとおりで、わたしも、映画の帰路で、いつも思い出したのは、このときの彼の姿でした。

“Human Nature”は、彼の代表曲として有名ですけど、ステージでの完成形はすごく難しく、いわゆるダンスの振付けではなく、音楽そのものを表現する、体を楽器にする、という、ダンサーの彼がいつも追求していたことを表現するのに、もっとも適した曲ですが、元々大会場で、歌うのは、厳しい曲ですし、ブカレストライブでも、彼が一番納得していない曲だと思ってました。

“THIS IS IT”で、この歌の最高のパフォーマンスを観れたのは、やっぱり、これが「映画」だからだと思います。過去最高のチケットの購入者よりも、もっと多くの人に、かつてない壮大な演出を考案し、彼の魂を受け継ぐダンサーを育て、様々なスタッフに意志を伝え、

そして何よりも、歌の魂を感じてもらうために、絶叫や歓声がなく、静かで、彼がよく見える席に座って、じっくり聴いてもらいたい。

そのすべてを満たすために、やっぱり、この映画は、彼自身が創ったように思えてしかたがありません。

本当に、言葉がでないほどの“見事な人生”だったと思います。


☆参考記事「Club Escapism」
“マイケルの「視線」が作った映像:映画This Is It”




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by yomodalite | 2010-01-28 22:11 | マイケルジャクソン資料 | Trackback | Comments(0)

旧「読書日記と着物あれこれ」。歴史/文学/お笑いを好み、着物生活をしていたはずが、いつしかマイケルジャクソンのように本を読もうになってしまったブログ。永年暮らした東京を離れ、現在は大阪を満喫中。


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