マイケルを拒絶していた時代[1]

「THIS IS IT」を初めて観た日から今日で84日が経ちました。

一体何日経ったのか、今日改めて確認したくなったのは、この間私が毎日ずっと泣き続けてきたからです。正直もっと長い期間のように感じていたのですけど、84日なら涙が涸れないのも仕方がないと少しだけ納得しました。

ここまで、もっとも涙が溢れて仕方がなかったのは、観客として映画館にいたときではありません。これまでに4回観に行きましたが、観客として彼を観ているときは、彼から発せられる力に圧倒され、感動を受取る喜びが大きかった。わたしは、ロンドンでのチケットを取ろうともしていなかったし、彼が亡くなったニュースは非常にショックではあったけど、その瞬間には泣くことはなかった。

でも、なにかとてもしまった!という気がしてたまらなくなり、気持ちがざわつくのは、何故だろうと思い、彼の作品を聞き直し、これまで聴いていなかったすべての作品が聴きたくなり、『マイケル・ジャクソン全記録』の旧版、『マイケル・ジャクソン観察日誌』を参考に、思春期ですら、音楽をここまで聴き込んだことはなかったかも。と思えるぐらい真剣に、苦手な英語の歌詞と格闘しながら、彼の音楽を聴く毎日が続きました。


この頃の私のきもちを、最も代弁してくれたのは、マドンナによる追悼スピーチでした。
◎Madonna Pays Tribute to Michael Jackson


同い年のクイーン・オブ・ポップは、彼の偉業を紹介しただけでなく、

彼の死を知った瞬間「私は彼を見放してしまった」ということ以外頭にうかばなかった。
私たちが、彼を見捨てたのです。
かつて世界中を熱狂させた偉大な人物を、平気で見過ごしていたのです。
彼が家族やキャリアの再建にいそしんでいる間、世間は批判に徹しました。
みんなが彼を裏切ったのです。


という、彼の死を知った瞬間に私が感じたことと、同様の感情を吐露してくれました。マドンナは、1991年当時のデートを振返り、その後に始まった現象を“魔女狩り”と称し、マスコミでもなく、無理解な世間の人々でもなく、アーティストや音楽ファンが集まっている中で、自分と、私たちみんなが彼を見捨てたと、MTV主催の追悼式で述べた、ただ一人のアーティストでした。

2000年前後から、マイケル再評価の動きは少しづつ始まっていて、マイケルチルドレンというべき世代からのリスペクトは、めずらしくなくなっていました。会場に集まっている大勢も彼の偉業がわかっている人がほとんどの中で、マドンナがあえて言った「私たちが彼を見捨ててきた」と語った意味はすごく重かったと思います。

整形と肌の漂白は、散々ネタにされてきたけど、彼は鼻を整え、肌が白くなってから、真に世界的なスターになったのだから、そのことが「私たちが見捨てた」という理由ではまったくない。

頻繁に“奇行”と称された、彼の行動も、ごく普通のハリウッドスターに比べても、特別なものは何もなかった。それなのに、どうして彼は一時あれほど、奇怪に見えたのか?

その理由のひとつは、彼のメイキャップに原因があったと思います。

本当に、それは、マドンナが言ったように、かつてすべての男の子と女の子の憧れだった人物としても、彼が生涯続けた子供への慈善事業にも、まったくふさわしいように見えなかった。

マドンナがしたように、私も必死で彼の動画を夢中で探した。毎日毎日飽きるほど、彼の姿を追っていくうちに、今まで知らなかった彼の姿がいくつも見え、涙が止まらない日々は止みそうにないと思えるほど、彼の素晴らしさを知ることになったけど、それでも、どうしても理解できなかったのは、彼のメイクでした。

低俗なマスコミ報道に影響を受けなかったファンでも、彼の急速な女性化?としか思えない厚塗りメイクには、違和感と拒否反応があったと思う。私も、“You are not alone” “Childhood”は、ギリギリ許せても、“You Rock My Would”のような作品で、あのメイクをするマイケルがどうしても納得が行かなかったし、それは最後まで残った、彼への謎でした。

パパラッチが撮った写真ではなく、彼の魂であるはずの、SFの中でも、彼が異形に見えたのは、どうしてなんだろう?

彼は、こどもと一緒の写真ですら、赤い口紅を欠かさなかった。

「THIS IS IT」からはまだ84日だけど、彼の死後からは、既に209日。約7ヶ月もの間、彼の動画や画像を見て、わかったのは、彼は、メイクしていない時か、それが女性的でないときは、昔とほとんど変わらないほど美しく、十分素敵だった。それなのに、一体どうして?

彼はインタビューで、スターでいること、マイケル・ジャクソンでいることは、サイのような皮膚が必要と語っていました。

史上最大のパパラッチの被害者である人物が、丈夫な仮面を必要とすることは、心理的に理解できないわけではない、、でも、、

この謎の答えは、もうこれ以上は解けないかもしれないと思っていたとき、ミュージックエアチャンネルのクイーンのドキュメンタリ番組を観ていて、突然その答えが降りてきたような気がしました。

マイケルを拒絶していた時代【2】に続く




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by yomodalite | 2010-01-20 19:30 | MJ考察系 | Trackback | Comments(0)

旧「読書日記と着物あれこれ」。歴史/文学/お笑いを好み、着物生活をしていたはずが、いつしかマイケルジャクソンのように本を読もうになってしまったブログ。永年暮らした東京を離れ、現在は大阪を満喫中。


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