やんごとなき読者/アラン・ベネット、市川恵里(訳)

やんごとなき読者

アラン ベネット/白水社




やんごとなき読者とは、英国女王エリザベス2世のこと。
ある日、女王は愛犬を追いかけていった先で、移動図書館のトラックに出会う。
80歳を目前にした女王が、立派な宮殿内図書館があるにもかかわらず、移動図書館の少年から本を借りることで、突然読書に目覚めていく。

女王「本を借りてもいいのかしら?券を持っていないけど?」
少年「大丈夫です」
女王「私は年金暮らしなのよ」
少年「6冊までお借りになれます」
女王「6冊も?まあ!」

上記のようなカワイイ会話後、女王は様々な本を読むようになっていきます。フランス風とか、イギリス流とか、グローバル化ですっかり印象が薄くなりましたが、本書は、まぎれもなく英国風であるところがイイです。

読書にハマっていく女王に対して、周囲の人々の反応がどのようなものだったか、また様々な読書経験を経て、女王はどのように変わっていくのか。。。

すでに英米独でベストセラーになっているようですが、映画化されたら、きっとチャーミングな作品になりそうです。

また「解説」で説明されていて、意外というか全く知らなかったのは、読書に対するイメージについて。上流階級の紳士淑女にとって、頭があまり良くなくて、ものを知らないことこそが「美徳」であるという考え方があり、イギリス全体がめざす「美徳」ともみなされているということ。

「頭が良い」(clever)という言葉が必ずしも褒め言葉でないのはイギリスだけとか、(参考:漫画家ポントによる『イギリス人の特質』というシリーズ内「知的でないことの重要性」)、皮肉屋でブラックなユーモアセンス一杯という、自分の今までのイメージとは異なるイギリス人像などの紹介が興味深かった。

★★★☆(午後のティータイムに)
___________

【BOOKデータベース】英国女王エリザベス二世、読書にハマる。おかげで公務はうわの空、側近たちは大あわて。「本は想像力の起爆装置です」イギリスで30万部のベストセラー小説。白水社 (2009/3/11)


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by yomodalite | 2009-11-15 12:37 | 文学 | Trackback | Comments(0)

旧「読書日記と着物あれこれ」。歴史/文学/お笑いを好み、着物生活をしていたはずが、いつしかマイケルジャクソンのように本を読もうになってしまったブログ。永年暮らした東京を離れ、現在は大阪を満喫中。


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