赤めだか/立川談春

赤めだか

立川 談春/扶桑社




2008年に出版され、講談社エッセイ賞も受賞したヒット作。

この本のヒットにより、ますますチケットが取りづらくなってしまった談春師匠の入門から真打ちになるまでを描いた自伝的エッセイ。時代ごとに様々なエピソードが描かれ、随所に笑いと涙が配置されていて楽しめる構成は、落語ファン、落語家になりたい人、今前座修行をしている人、また落語をほとんど知らない人にまで、楽しめるほど優れたものですが、最後まで読むと、冒頭の「本当は競艇選手になりたかった」から始まる、憧れの競艇選手、加藤峻二の戦法の紹介から、最終章まで、非常に完成度の高い一遍の物語になっていることに驚かされる。

文芸季刊誌「en- taxi」での連載を読んでいた人も、単行本で再読すればきっと新たに感動できるはず。

落語ファンなら、優れた落語家の噺のように、枕からサゲまで一気に心を揺さぶられたときの感動を味わえますし、落語を知らない人には、笑いに人生を捧げてきた人の言葉に対する繊細な感覚や、コーチングの極意を読み取ることができるでしょう。

こんなに、“しびれる言葉”が溢れている本はめったになく、全部箇条書きにして、ここにも書いておきたい欲望にかられましたが、もったいないので、止めときます。

☆☆☆☆☆(満点)

【目 次】
第一話 「これはやめとくか」と談志は云った。
第二話 新聞配達少年と修行のカタチ
第三話 談志の初稽古、師弟の想い
第四話 青天の霹靂、築地魚河岸修行
第五話 己の嫉妬と一門の元旦
第六話 弟子の食欲とハワイの夜
第七話 高田文夫と雪夜の牛丼
第八話 生涯一度の寿限無と五万円の大勝負
特別編その一 揺らぐ談志と弟子の罪 立川流後輩達に告ぐ
特別編その二 誰も知らない小さんと談志 小さん、米朝、ふたりの人間国宝
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【BOOKデータベース】サラリーマンより楽だと思った。とんでもない、誤算だった。落語家前座生活を綴った破天荒な名随筆。 扶桑社 (2008/4/11)

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by yomodalite | 2009-07-12 12:54 | お笑い・落語 | Trackback | Comments(0)

旧「読書日記と着物あれこれ」。歴史/文学/お笑いを好み、着物生活をしていたはずが、いつしかマイケルジャクソンのように本を読もうになってしまったブログ。永年暮らした東京を離れ、現在は大阪を満喫中。


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