幸田文台所帖/幸田文(著)青木玉(編)

幸田文 台所帖

幸田 文/平凡社




平凡社から出ている幸田文の衣食住3部作。他に『幸田文しつけ帖』『幸田文きもの帖』があって、こちらは「食」をテーマにした第2冊目。幸田文全集から娘の青木玉氏がテーマごとに編集している。

第1章「台所育ち」は、14歳から始まり、62歳になった著者の48年間の台所生活で学んだこと。

第2章「台所の四季」は、文字通り、台所で感じる四季の移り変わり、旬のとらえ方。「私のメニュウ」には、文氏の実際の朝晩のメニューが紹介されています。

第3章は、小説『台所のおと』。

主婦生活を送るものにとって、本書はためになり、ぐんぐん読んでしまえるという本ではありません。正直、そのあまりにも繊細な四季の感じ方、日々の料理の準備など、参考にしたいと思うだけで疲れてしまうぐらい緻密で、辛くなってしまう点もあります。

今現在、昔とは比較にならないほど便利になった世の中でも、日本女性の家庭料理は世界で類を見ないほどバラエティに富み、豊かなものですが、数十年前の最高レベルとなると、本当に世界の一流シェフが読んでも驚愕レベルじゃないでしょうか。

参考にするには、かなりしんどいと書きましたが、毎日の主婦生活に疲れたときに、何気にページを開くなら、また明日からの台所生活に新鮮な活力が湧く。日本女性の食文化への貴重な資料として。
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[内容紹介]台所が、教室だった。ささやかな煮炊きのくり返しが、私の心をみがいてくれた。大切な心を取り戻すために。幸田文の衣食住三部作の第2冊。

ごく普通のサンドイッチなのだが、祖母[幸田文]のサンドイッチはふたつの点で特別だった。ひとつは、祖母の家には私の大好きな甘酸っぱいピクルス入りマヨネーズがあったこと。そしてもうひとつは、祖母が刻んでくれたきゅうりは口の中でいつもとは違っていた。切り口がすぱっと、角が立っている。幼いなりに、舌にあたる感覚や歯ざわりも味覚の一部と知って嬉しかった。あとでその話を母にすると、「お祖母ちゃんの包丁はよく切れるからね」と言って笑っていた。祖母の包丁のあざやかさは、曾祖父・露伴の教えを受けたものである。 (青木奈緒「あとがき」より)
平凡社 (2009/3/5)

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by yomodalite | 2009-07-10 12:43 | エッセイ | Trackback | Comments(0)

旧「読書日記と着物あれこれ」。歴史/文学/お笑いを好み、着物生活をしていたはずが、いつしかマイケルジャクソンのように本を読もうになってしまったブログ。永年暮らした東京を離れ、現在は大阪を満喫中。


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