回転ドアは、順番に(ちくま文庫)/穂村弘、東直子

回転ドアは、順番に (ちくま文庫)

穂村 弘,東 直子/筑摩書房

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歌人であるお二人による、恋愛詩歌の往復書簡。
短歌+短い詩による2003年の単行本に、文庫ではさらにふたりの自作解説が一章ごとについていて、ジャケットも文庫の方がカワイイ。

最初の書簡、二人の遭遇は、女性である東直子氏の

「遠くから来る自転車をさがしてた 春の陽、
瞳、まぶしい、どなた」


から始まる。

東氏は一貫して、恋愛に夢を抱く女性の気持ちが全開なのに比べて、穂村氏は一途な東氏をピノコの切手や、牛乳委員のラルフのシャツなどで、交わそうとしている。

その後、初めてのデート、初めてのSEX、ケンカ、事故・・・恋人どうしの様々な瞬間が短歌と詩によって表現されているのですが、女性である東氏の素直過ぎる詩に今イチ感情移入できなかったのは、わたしが穂村ファンだからでしょうか。

ラストに向けて起承転結があり過ぎるところが、好みのど真ん中ではありませんが、恋愛短歌のお手本として。

【本書のベスト短歌】

◎穂村弘(説明なしでも独立して完成度の高いものを・・)

星たちが歌いはじめる 水圧でお風呂の栓がぬけない夜に

いつのまに消化器にガム張りつけて青空くさいキスのはじまり

終電を見捨ててふたり東大の謎を解いてもまだ月の謎

冷蔵庫の扉を細く開けたままスリッパのまま抱き合う夜は

バラ色の目ぐすり沸騰する朝 誰かのイニシャル変えにゆこうか


◎東直子

永遠の迷子でいたいあかねさす月見バーガーふたつください
→(穂村)夜の海に向かってきみが投げたのはハンバーガーのピクルスだった

隕石で手をあたためていましたがこぼれてしまうこれはなんなの
→(穂村)隕石のひかりまみれの手で抱けばきみはささやくこれはなんなの

あしのゆびぜんぶひらいてわたしからちいさな痛みはなたれてゆく



【BOOKデータベース】ある春の日に出会って、ある春の日に別れるまでの、恋愛問答歌。短歌と、そこに添えられた詩のような断章で、男と女、ふたりの想いがつづられる。紡ぎ出された言葉のひとつひとつが、絡み合い、濃密な時間を作り上げていく。短歌界注目のふたりによる、かつてないほどスリリングで熱い言葉の恋愛。文庫化にあたり、ストーリーに沿って1章ごとにふたりの自作解説を付加した。 筑摩書房 (2007/11、初版全日出版 2003/07)

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by yomodalite | 2009-07-06 14:35 | 文学 | Trackback | Comments(0)

旧「読書日記と着物あれこれ」。歴史/文学/お笑いを好み、着物生活をしていたはずが、いつしかマイケルジャクソンのように本を読もうになってしまったブログ。永年暮らした東京を離れ、現在は大阪を満喫中。


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