グラン・シャレ 夢の刻/節子・クロソフスカ・ド・ローラ

グラン・シャレ夢の刻

節子・クロソフスカ・ド ローラ/世界文化社



グラン・シャレの庭でくつろぐ節子氏の美しいお姿が表紙になっていますが、扉を開けば、他では観られないような美しい着物を、小物まで完璧なコーディネートで着こなす節子氏が、山荘の見事な内部や自然を背景に薔薇のような笑顔に彩られた写真が一杯。

かつて文豪ヴィクトル・ユゴーが愛したスイスの歴史的山荘「グラン・シャレ」。1977年から、画家バルテュスとともに移住した節子氏のグラン・シャレ生活は、雑誌『家庭画報』『和楽』などに連載されていたことからも想像できるように、腕のいいカメラマンによる写真が満載で2500円はたいへんリーズナブル。

スイスの山に囲まれた自然豊かな環境で、乗馬を楽しみ、庭の花の手入れや、毎日のティータイム、わたしたち庶民には味わえないような優雅な生活ではありますが、その生活の豊かさは、世界各国から集められた品々からだけでなく、お茶やジャム、鉛筆立て、レターペーパーケース、書誌の袋、娘のための絵草紙、指人形にまで、手のこんだ手作り品に溢れていて、日本のきものに見られる、ものを大事に使う精神にも感動させられます。

名家に生まれ、若くして成功した画家で貴族の夫と結婚し、何不自由ない美人の生活には、通常あまり興味を持たないのですが、日経新聞「わたしの履歴書」にありがちな、どうしても「自慢」してしまうという文章が見当たらないのは、やっぱり「人徳」としか言いようがないです。心の贅肉が感じられない本当に美しい方です。

着物が好きで、うっとりしたい人は是非。

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【BOOKデータベース】“上の郷”(ペイ・ダン・オー)と呼ばれる山あいの村ロシニエールにはスイスで最も大きな木造建築物グラン・シャレがあります。そこは“二十世紀最後の巨匠”といわれた画家バルテュスの終の住処となりました。夫亡き後も、節子夫人は自然をこよなく愛し、和の心を慈しみ西洋と東洋の美しい融合の暮らしを続けています。バルテュスと過ごしたその宝石のような時間、“夢の刻”を綴った珠玉のエッセイ集。

【MARCデータベース】20世紀最後の巨匠バルテュス夫人のフォトエッセイ。巨匠バルテュスと愛しんだ和の心、そしてスイス山荘で紡ぐ日々の暮らしを綴る。『家庭画報』連載をまとめる。 世界文化社 (2005/05)



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by yomodalite | 2009-06-25 13:28 | きもの | Trackback | Comments(0)

旧「読書日記と着物あれこれ」。歴史/文学/お笑いを好み、着物生活をしていたはずが、いつしかマイケルジャクソンのように本を読もうになってしまったブログ。永年暮らした東京を離れ、現在は大阪を満喫中。


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