宇野千代きもの手帖ーお洒落しゃれても/宇野千代

宇野千代きもの手帖―お洒落しゃれても

宇野 千代/二見書房




おしゃれ大好き人間で、着物デザイナーでもある宇野千代氏。

本書は、氏の着物人生を、自ら創刊した、雑誌『スタイル』創刊時から現在(出版当時)までを網羅した本。着物の流行の話、様々なアイデア・工夫を生き生きと楽しげに語られていて、最後まで飽きずに読ませられるのですが、最終章の結びで、

「今年、私は97歳を迎えますが、こんな齢になっても、なお、きものを作ることが愉しいのです。自分の作ったきものどの一つを見ても、これは私にも着られる、と、そう思うのですから呆れたものではありませんか。」

本書は2004年に出版されていて、宇野氏が、高齢でありながら、つい最近までたいへんお元気で活躍されていたことも知っておりますが、それでも最後にこの文章を読んで驚かずにはいられませんでした。

茶道や着付け、老舗呉服店などの業界人には、様々なマナーやルールを、客に守らせることが仕事かのように振舞っている人が多いですよね。そんな伝統など、20〜30年にも満たず、自分の先生に教わっただけの、ほとんど業界の都合でしかないようなことばかりなのに、本当にエラそーに押し付けようとする人が多くて困ります。

巷のキモノ本にも、そのようなマナーとルールばっかりの本が溢れていて、著者と同様のセンスを学ぶことがポイントである本が多いのですが、本書は、著者のセンスやアイデアに興味がなくても、自分の中で色々アイデアが拡がるというか、キモノを着ることが益々愉しく感じられる本です。
______________

【出版社/著者からの内容紹介】小説家として活躍をしながら、精力的にきもののデザインを手がけ、ファッション雑誌「スタイル」「きもの読本」を刊行。さらに銀座に「きものの店」を出店と、生涯を「きもの」と関わり、そして「きもの」と生きた宇野千代の「きもの」「おしゃれ」にまつわる随筆集です。日本のファッション誌の先駆けとも言える「スタイル」誌、「きもの読本」の貴重な資料もふんだんに収録。 二見書房 (2004/10)



[PR]
トラックバックURL : http://nikkidoku.exblog.jp/tb/11348459
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
名前
URL
削除用パスワード

※このブログはコメント承認制を適用しています。ブログの持ち主が承認するまでコメントは表示されません。

by yomodalite | 2009-06-20 12:26 | きもの | Trackback | Comments(0)

旧「読書日記と着物あれこれ」。歴史/文学/お笑いを好み、着物生活をしていたはずが、いつしかマイケルジャクソンのように本を読もうになってしまったブログ。永年暮らした東京を離れ、現在は大阪を満喫中。


by yomodalite