フランス的人生/ジャン・ポール・デュボワ、吉村和明(訳)

フランス的人生

ジャン=ポール デュボワ/筑摩書房




こちらは、NHK-BS「週間ブックレヴュー」で、フランスのベストセラーという点が記憶に残り、なんだか読んでみたくなった本。2004年のフェミナ章受賞作。

現在54歳のポール・ブリックの回想録は、8歳のときに、優秀な兄が急病で亡くなったことによる家族の危機から始まる。その後ポールは、何人もの女と様々なセックスを試み、富豪の美人実業家と結婚、2冊の写真集の爆発的ヒットにより、労働の必要のない人生を歩むことになる。

章タイトルはすべて仏歴代大統領の名前で、「シャルル・ドゴール(1958年1月8日ー1969年4月28日)」から始まり、最終章は「ジャック・シラクⅡ(2002年5月5日ー)」。

1950年後半から現代までの社会情勢を背景に描かれるポールの人生は、一般的とはいえないものの、盛りを越えた1人の男の回想録として、特に同年代には感慨深いものがあるかも。。何不自由ないと思われたポールの人生だったが、最終章は、ハッピィエンドとは言えない様相を帯びてくる。

主人公は左翼的人物として、妻のアンナや主人公の母は保守的描かれているが、アポロの月面着陸や、ケネディ暗殺、東京オリンピックで活躍した円谷幸吉のエピソードなども語られ、また、その姪と息子が結婚するなど、フランスの政治状況に関して詳しくない日本人、とりわけ同世代の日本人には心情的に理解しやすい印象。

奔放な性体験告白や、淡々とはいえない人生を、どこか冷めた視線で語る50代の男の回顧録を読む余裕のある方へ。(翻訳のこなれ具合は今ひとつ・・)
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【BOOKデータベース】68年世代のポールは、まばゆいばかりの美しい富豪令嬢と出会い、結ばれる。写真家としても大成功をおさめた幸運な日々…そこに突如、すざまじい悲劇がつぎつぎと襲いかかる。ミッテラン大統領も登場、マラソンの円谷選手の哀切な死が綴られたり、スリルいっぱいの展開と絶望のさい果てのペーソスが胸をえぐる、フランスでベストセラーの話題作。


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by yomodalite | 2009-06-06 16:03 | 文学 | Trackback | Comments(0)

旧「読書日記と着物あれこれ」。歴史/文学/お笑いを好み、着物生活をしていたはずが、いつしかマイケルジャクソンのように本を読もうになってしまったブログ。永年暮らした東京を離れ、現在は大阪を満喫中。


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