浮世絵に見る江戸の暮らし/橋本澄子・高橋雅夫編

浮世絵に見る江戸の暮らし (ふくろうの本)

橋本 澄子(編集),高橋 雅夫(編集)/河出書房新社




B5の天地を短くしたぐらいのサイズで、厚さ12ミリ程。カラー図版は巻頭の8ページだけですが、全ページにモノクロとはいえ大きな図版がたっぷりで見どころも読みどころも満載。1600円は超お買い得と言えそうです。

1988年初版にして、未だに大手書店サイトで販売されているのも驚き。


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内容は、下記の11項目。それぞれ10〜23点ほどの浮世絵とともに解説されています。

・江戸風俗と浮世絵(高橋雅夫)
・芝居と相撲(諏訪春雄)
・祭と市(山口桂三郎)
・お参りと物見遊山(佐藤要人)
・遊里(林 美一)
・士農工商(林 美一)
・食べもの(平野雅章)
・美人(佐藤要人)
・服飾(橋本澄子)
・髪形(橋本澄子)
・化粧(高橋雅夫)


最初の章「江戸風俗と浮世絵」には、浮世絵は現在美術史という側面からの研究派は進んでいるものの、本来の風俗画としての研究はあまり進んでいない。という実情から、絵画作品としてのフィクションや約束事をふまえ、その資料価値を取捨選択し、整理することの難しさを説いている。


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その例として挙げられているのが、「二十歳以上、三十歳以下の既婚夫人は必ず眉を剃っているにもかかわらず、浮世絵には眉を描いている」という。これに対して、はっきりとお歯黒をつけ、乳飲み子を抱えた母親の眉の剃りあとを「黄つぶし」にして、魅力を表現した歌麿の『名所風景美人十二相』を稀有な例として紹介している。

江戸の末期、天保十一年、大阪から江戸に出てきた喜多川守貞は深川に移住し、上方と江戸の風俗のあまりのちがいに興味を持ち、克明に記録した『守貞漫稿』とよばれている全33巻の大書の中で、当時の浮世絵に対して後世の誤解を招くのではないかとしきりに心配しているらしい。

藤原千恵子氏には『図説浮世絵に見る江戸の歳時記』や『浮世絵に見る江戸の一日』など同類の本も多いようです。


紀伊國屋書店BookWeb
http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4309221491.html
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【BOOKデータベース】浮世絵を読みとく。江戸の風俗と生活。河出書房新社 (1988/07)



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by yomodalite | 2009-05-26 13:49 | 歴史・文化:美術 | Trackback | Comments(0)

旧「読書日記と着物あれこれ」。歴史/文学/お笑いを好み、着物生活をしていたはずが、いつしかマイケルジャクソンのように本を読もうになってしまったブログ。永年暮らした東京を離れ、現在は大阪を満喫中。


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