きもの自在/鶴見和子

きもの自在

鶴見 和子/晶文社



きもの自在 (ちくま文庫)

鶴見 和子,藤本 和子/筑摩書房




最近こちらのブログでは、ちっとも着物をあれこれしてませんが、脳内では様々な悩みやアイデアが渦巻いております。そういうアイデアというか、思いつきというか、実験というか、、、も、お披露目にはちと早いし、便利そうなグッズも、購入品も、お店情報も、紹介するほどではないと思う今日この頃。

本書を読むきっかけになったのは、『女装と日本人』の著者で、女装家の三橋順子氏の「着物大好き」というサイトの「順子の好きな着物エッセイ」で紹介されていたから。三橋氏とは、好きな着物のセンスがそんなに近いとは思いませんが、自らを性同一性障害ではなく性別越境者とする「女装」は、自分の中の未知の女を発見する旅をされているようで共感しています。

私も将来的に着物で日常をすべて過ごすようになりたいものの、まだまだ着物コスプレの日々は続くでしょう。着物に関するバックグラウンドが全くなく、新しい着物を出来るだけ買いたくないものの、着物遺産はあまりにも少なく、女子ばかりのお稽古道の中での、着物にまつわる知識や習慣にも、あまり影響を受けたくないものが多く、お金も使いたくない。そんな自分が参考にしたい着物本となると、なかなか巡り逢えません。

「順子の好きな着物エッセイ」で紹介されている本は、未読のものもあり、全部読んでみたいと思います。

さて、本書の著者、鶴見和子氏は、元東工大教授。ヴァッサー大学で哲学修士号、ブリティッシュ・コロンビア大学で助教授をつとめた後、プリンストン大学で社会学博士号取得。柳田國男や南方熊楠の研究で知られ、弟は鶴見俊輔、祖父は後藤新平、父は元厚生大臣というエスタブリッシュな家庭に育ち、幼い頃から着物に囲まれ、亡くなるまで日常を着物で過ごされています。

その育ちから想像どうり着物遺産に恵まれ、うらやましい限りなのですけど、本書は1993年出版で著者は75歳。それまでの着倒した着物を順々に作り替えて、最後まで「布」として愛していく生き方や、アジアの布を着物や帯に仕立てていく技、そして、着物を美しく着るのに一番大事なのは着る人の「姿勢」で、それには、何かしら伝統芸能を学ぶことだ。という結論。

何かしらの伝統芸能を何にして、どこで学ぶか、、、何年も迷っている課題にまた突き当たってしまいましたけど、決して嫌に感じなかったのは、やはり本書に真の魂があったからでしょう。

アジアの布から着物へという試みに関してが、一番興味のあったところなんですけど、帯以外は実例が見られなかったのは残念。サリーに輸入羽二重を裏打ちしたものが一番見たかったんですけどね。今、裏打ちなしで、サリーを夏のキモノとして、単衣で仕立てて、優れもののポリ襦袢(ウェルキー♪)で、着られないものか、実験してみたくてウズウズしてます。

著者が贔屓にしていた銀座「増多屋」は、すでにありませんが(ですよね?)、道明の組紐、祇園の「ない藤」の履物はあこがれのお店ですね。ワードロープすべて、こちらで揃えることはできませんが、「ない藤」の前つぼは、前緒がぴんと垂直に立つことの美しさだと思っていたのですけど、この前つぼにより親指との間が開かず、細身の足になるんだそうです。

私より遥かに細い足幅の人に言われて、自分のガサツな足元にシュンとしてしまいました。


女鍼灸師のつぶやき
http://blog.livedoor.jp/miki00011/archives/51173418.html
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【MARCデータベース】インドのサリーや中国の刺繍布をきものや帯に仕立て、異文化の豊かな出会いを楽しみ、すりきれたきものは帯や羽織、袋物に…著者のきもの術は自由自在。のびやかで気持ちのいい"きもの暮らし"を提案する。晶文社 (1993/12)

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by yomodalite | 2009-04-13 14:42 | きもの | Trackback | Comments(0)

旧「読書日記と着物あれこれ」。歴史/文学/お笑いを好み、着物生活をしていたはずが、いつしかマイケルジャクソンのように本を読もうになってしまったブログ。永年暮らした東京を離れ、現在は大阪を満喫中。


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