本の読み方ースローリーディングの実践(PHP新書)/平野啓一郎

本の読み方 スロー・リーディングの実践 (PHP新書)

平野 啓一郎/PHP研究所




ダーリンは、速読法に関心があるらしく、もう2、3年は図書館で借りる本の4割は速読法の本ではないかと思うほどなんですが、そんなに読んでいても、速読本はなくならないうえに、ダーリンの読書スピードも早くなっている気がしない。

わたしも、とにかく次々と本を読みたいという気持ちが何よりも勝っていたときもあったけど、最近、読書に関してはもっとゆっくり読みたいという気持ちが強くなってきた。

本書と、同時進行で読んでいたのは、松岡正剛の『日本という方法』と、三島由紀夫の『春の雪』。

『春の雪』は10年ぶりに読み返したら、もうひっかかるところが多すぎて、いったいいつになったら読了できるのかわからないほど「スローリーディング」して、今更ではあるのだけど三島の凄さにもう圧倒されたり、、松岡氏の本も薄くて、語った内容を本にされていて読みやすいのですが、内容が濃いのと自分の中での確認作業に時間がかかって、なかなかブログアップできず。。

本書の冒頭では、著者も速読を色々試した経験が語られるのですが、結局「遅読」こそ「知読」という結論は、至極納得。また「遅読」の方法の良し悪しにも触れ、第三部からの実践編では、著者の具体的な読み方指南があり、平野氏のテキスト解説としても興味深く読めます。

夏目漱石の『こころ』は、教科書がよく取り上げる第三部「先生の遺書」ではなく、第二部、「先生先生というのは誰のことだい」と兄が聞いた。〜から。

森鴎外の『高瀬舟』からは、有名な安楽死のシーンから。

カフカの『橋』は全文。

三島由紀夫の『金閣寺』は、三島由紀夫の再来との評価もある平野氏は、主人公と禅海和尚との対話を選んでおられます。

その他、川端康成の『伊豆の踊り子』、金原ひとみ『蛇にピアス』、フーコー『性の歴史Ⅰ 知への意志』、著者の『葬送』の解説も。

読書法に興味のない読書好きな方にはおすすめ。

【目 次】
第1部:量から質への転換を―スロー・リーディング 基礎編
スロー・リーディングとは何か?/「量」の読書から「質」の読書へ/仕事・試験・面接にも役立つ ほか

第2部:魅力的な「誤読」のすすめ―スロー・リーディング テクニック編
「理解率七〇%」の罠/助詞、助動詞に注意する/「辞書癖」をつける ほか

第3部:古今のテクストを読む―スロー・リーディング実践編
夏目漱石『こころ』、森鴎外『高瀬舟』、カフカ『橋』、三島由紀夫『金閣寺』、川端康成『伊豆の踊り子』、金原ひとみ『蛇にピアス』、フーコー『性の歴史Ⅰ 知への意志』、平野啓一郎『葬送』

「琥珀色の戯言」
http://d.hatena.ne.jp/fujipon/20080414
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【出版社/著者からの内容紹介】本を速く読みたい!それは忙しい現代人の切実な願いである。しかし、速読は本当に効果があるのか? 10冊の本を闇雲に読むよりも、1冊を丹念に読んだほうが、人生にとってはるかに有益ではないのか? 
著者は、情報が氾濫する時代だからこそ、「スロー・リーディング」を提唱する。作家はどのように本を読んでいるのか? 本をどのように読んでほしいのか? 夏目漱石『こころ』や三島由紀夫『金閣寺』から自作の『葬送』まで、古今の名作を題材に、本の活きた知識を体得する実践的な手法の数々を紹介。読者は、教科書で読んだはずの文章であるにもかかわらず、「目から鱗が落ちる」を何度も体験するだろう。スロー・リーディングは、速読と違って特別な訓練はまったく不要。読書は工夫次第で、何倍にも楽しくなる。仕事、受験勉強、就職の面接にも効果があるし、人間関係を良好にすることができる。なにより卓越した創造性を発揮する読み方である。 PHP研究所 (2006/8/17)

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by yomodalite | 2009-04-05 12:14 | 文学 | Trackback | Comments(0)

旧「読書日記と着物あれこれ」。歴史/文学/お笑いを好み、着物生活をしていたはずが、いつしかマイケルジャクソンのように本を読もうになってしまったブログ。永年暮らした東京を離れ、現在は大阪を満喫中。


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