ヤンキー文化論序説/五十嵐太郎(編)

ヤンキー文化論序説

五十嵐 太郎/河出書房新社

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浮世絵や、江戸時代の風俗を見ていたら、「ヤンキー」的なものには、明治以降の近代化以前の日本が見えることに気づいた。

例えば彼らのリーゼントにしても、金髪にしても、外国人コンプレックスではなくて「歌舞伎」だし、ガングロもヤマンバも黒人コンプレックスではなく、渋谷ギャルは出雲阿国や辰巳芸者を生んだ「踊り子」と繋がっている。(本書では酒井順子氏が同様なことを書いておられました)

私はヤンキー的なものに惹かれたことは一切ないし、ファミレスやドン・キホーテ、コンビニすらほとんど行かないし、現在住んでいる地域は、東京都心部の中でも最も「ヤンキー」的なものが見られない地域だと思うのだけど、それでも、E・YAZAWAのロゴステッカーを張った車から逃れることは出来ないことを考えると、ナンシー関氏が、日本人の5割は「銀蝿的なもの」を必要としていると断定したことに間違いはないと思う。

日本人のヤンキー的意識は拡げていけば、歌舞伎座の高級きもの集団や、女性起業家のシャネル好きにも繋がっていくものだと思っていたのだけど、気になっていたのは男子のヤンキー文化が廃れていること。

本書では「ヤンキーマンガダイジェスト」の森田真功、「映画『国道20号線』はなぜ世紀の大傑作なのか」の宮台真司、「ヤンキーたちは地域に戻ることができるのか」の阿部真大がそれについて触れられていて興味深かった。

また、斎藤環氏は「ヤンキー文化と『キャラクター』」で、酒井順子氏との対談集『「性愛」格差論』の中で酒井氏が「平安時代にもヤンキーはいた」ことを紹介し、対談では、家の外壁のイルミネーションや、ルミナリエ、ピーチ・ジョンの下着、桐野夏生、中上健次まで列挙されていて至極納得。

宮台真司、酒井順子、近田春夫、斎藤環。。。などおよそヤンキー文化と関係なさそうな豪華執筆陣ですが、上滑りのコラムではなく、執筆陣の数だけのヤンキー論が満載で、「日本論」としてとても興味深い内容。これまでヤンキーに一切関わりなかった人に!

「情報工学Passion For The Future」
http://www.ringolab.com/note/daiya/2009/03/post-951.html
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【内容紹介】思考や行動の様式から、ファッション、音楽、マンガ、映画、アート、建築まで——いまこそ、ヤンキー文化の豊潤な可能性を見よ! 執筆・インタビュー:都築響一、宮台真司、斎藤環、酒井順子、近田春夫、永江朗、速水健朗ほか  河出書房新社 (2009/3/3)



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Tracked from ご本といえばblog at 2010-05-06 13:00
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山本一力著 「辰巳八景」を読む。 このフレーズにシビれた。  大川端に、七ツを告げる鐘の音が流れてきた。西に大きく傾いた日が、佐賀町河岸の五本梅を照らしている。 [巷の評判] 読書日記と着物あれこれでは, 「人情ドラマを期待する向きには、多少物足りないかもしれま...... more
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by yomodalite | 2009-03-29 22:59 | 評論・インタヴュー | Trackback(1) | Comments(0)

旧「読書日記と着物あれこれ」。歴史/文学/お笑いを好み、着物生活をしていたはずが、いつしかマイケルジャクソンのように本を読もうになってしまったブログ。永年暮らした東京を離れ、現在は大阪を満喫中。


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