
子どもの頃から昆虫が苦手。ミツバチにも近寄ったことはないのだけど、この本を読んだあとには、ミツバチを飼ってみてもいいかも。と思ってしまったほど、ミツバチの行動の賢さ、環境に与える良い影響など、ミツバチの素晴らしさがよくわかる。(本書の付録にはミツバチを飼う、授粉の庭造りという章もあります)
普段は、あまり意識していないけど、果実はミツバチの授粉で生まれている。アーモンドなどのナッツもミツバチがいなかったら口にすることはできないし、巣全体の意志と進化で「高等動物」を恥ずかしくさせるほど高度で複雑な仕事をしているミツバチのコロニーとしての生き方の素晴らしさは社会性昆虫として非情に優れた性質を備えている。
ところが、2007年に北半球から約4/1のハチが消えてしまったのだ。
大勢の養蜂家が必死の治療を行なうも、方向感覚の異常、無気力から死を迎えるハチはあとを絶たない。
科学者たちはこの異変を蜂群崩壊症候群(Colony Collapse Disorder=CCD)と名付け、ミツバチの体液を吸うダニや携帯電話の電磁波から地球温暖化、ウイルスや伝染病、遺伝子組み換えなど様々な原因が探られたがいずれも決定的な原因とは言えない。
CCDは大勢の養蜂家の破滅を生んだが、ハチの長距離巡業、単一の花粉しか得られず、免疫低下を起こし、ウイルスやカビなどに冒され、酷使されている現在の養蜂の実態から、本著は養蜂のビジネス化の行き過ぎを指摘し、農業が生態系といかに共存していくかという模索に解決の糸口を見つけている。
訳者のあとがきでは、本書では語られていない日本ミツバチのこと、また福岡伸一氏による解説では、CCDと狂牛病との類似点と、本書がハチの奇病についてだけのレポートではなく、より大きな問題についての告発の書であることを指摘している。
詐欺まがいの「エコロジー」ではなく、本当の環境問題に興味がある人へ
★★★★(家の近所の銀座ミツバチプロジェクトにも急激に興味が湧いてきました)
「美しい論理」http://miron.blog.so-net.ne.jp/2009-03-21
「404 Blog Not Found」http://blog.livedoor.jp/dankogai/archives/51172029.html
銀座ミツバチプロジェクトhttp://www.gin-pachi.jp/top.html
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【BOOKデータベース】
2007年春までに北半球から四分の一のハチが消えた。巣箱という巣箱を開けても働きバチはいない。残されたのは女王バチとそして大量のハチミツ。その謎の集団死は、やがて果実の受粉を移動養蜂にたよる農業に大打撃をあたえていく。携帯電話の電磁波?謎のウイルス?農薬?科学者たちの必死の原因追及のはてにみえてきたのは。 文藝春秋 (2009/1/27)
【目次】
ハチが消えた
あなたのその朝食は
集団としての知性
何かがおかしい
犯人を追う
夢の農薬
おかされた巣箱を見る
人間の経済に組み込まれた
複合汚染
ロシアのミツバチは「復元力」をもつ
もし世界に花がなかったら?
実りなき秋
初霜