私家版・ユダヤ文化論 (文春新書)/内田樹

私家版・ユダヤ文化論 (文春新書)

内田 樹/文藝春秋




私家版とした理由を、内田氏は、

・・・私のユダヤ人問題に対する立場は中立的なものではない(私の学問上の師はユダヤ人であり、私はその師から「ものを考える仕方」を教わった)。ユダヤ人問題についても十分に深い知識を有しているわけではない(私以上にこの問題に詳しい人は日本にもいくらもいる)。

けれども、人間の邪悪さ、愚鈍さはどのような様態をとるかについてなら私はたいへんに詳しい。私自身がその無尽蔵なデータベースだからである。本書を『私家版』と名付けたのはそのためである。


と「はじめに」で説明されている。しかし、本書には非ユダヤ人がユダヤ人問題を語ることがいかにむずかしいか、という理由が様々な角度から論じられていて、著者があとがきで書いている、

私のユダヤ文化論の基本的立場は「ユダヤ人問題について正しく語れるような言語を非ユダヤ人は持っていない」というものである」

という結論に読者を導いていく。学習濃度の高い本です。

非ユダヤ人の中でも、聖書や「神」をまったく理解しない日本人が、ユダヤを語ることや「知性」を身につけることが、いかに困難かということも。「ユダヤ人」のことだけではなく、日本人が「他者」を理解するための必読書。
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【BOOKデータベース】ノーベル賞受賞者を多数輩出するように、ユダヤ人はどうして知性的なのか。そして「なぜ、ユダヤ人は迫害されるのか」。サルトル、レヴィナスらの思想を検討しながら人類史上の難問に挑む。 文藝春秋 (2006/07)



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by yomodalite | 2009-03-13 12:09 | 宗教・哲学・思想 | Trackback | Comments(0)

旧「読書日記と着物あれこれ」。歴史/文学/お笑いを好み、着物生活をしていたはずが、いつしかマイケルジャクソンのように本を読もうになってしまったブログ。永年暮らした東京を離れ、現在は大阪を満喫中。


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