手紙魔まみ、夏の引越し(うさぎ連れ)/穂村弘(著)、タカノ綾(絵)

手紙魔まみ、夏の引越し(ウサギ連れ) (小学館文庫)

穂村 弘/小学館



エッセイ集ばかり読んでいた穂村弘氏の短歌も読まなきゃいけない!ということで、選んだのがこちら。第一短歌集の『ブルー・シンジゲート』から読みたかったのだけど第二歌集の『ドライ ドライ アイス』共に装幀が今イチ。発行が小学館になり、一気に可愛くなった本著に惹かれました。

『世界音痴』のあとがきで、手紙魔まみのことに少し触れていたけど、タカノ綾氏のイラストに惹かれて本著を手に取った人には、この本の趣旨は伝わらないかもしれない。それでもいい、むしろその方がいいかも。。と考えた穂村氏の企みが成功したのかどうかはわからないけれど、短歌に見向きもしなかった層へアピールしたことは間違いないでしょう。

『にょっ記』の天使とはちがって、こちらはすべて「まみ」の一人称なので、いろいろご指摘の点がある方もおられると思いますが。。。「カワイイ」は日本の貴重な輸出品になろうとしてますし、不景気や株安、日本の将来が不安でならない方に是非オススメしたいです。


「手紙魔まみ、夏の引越し(ウサギ連れ)」

目覚めたら息まっしろで、これはもう、ほんかくてきよ、ほんかくてき

明け方に雪そっくりな虫が降り誰にも区別がつかないのです



「手紙魔まみ、アイ・ラブ・エジソン」

バービーかリカちゃんだろう鍵穴にあたまから突き刺さっているのは

知んないよ昼の世界のことなんか、ウサギの寿命の話はやめて

時間望遠鏡を覗けば抱き合って目を閉じているふたりがみえる

ラケットで蝶を打ったの、手応えがぜんぜんなくて、めまいがしたわ

新婚旅行へゆきましょう、魂のようなかたちのヘリコプターで

おやすみなさい。これはおやすみなさいからはじまる真夜中の手紙です

製氷皿に静かな水を運びつつ 天国なんか通過する汽車

神様、いま、パチンて、まみを終わらせて(ウサギの黒目に映っています)


「手紙魔まみ、ウエイトレス魂」

お客様のなかにウェイトレスはいませんか。って非常事態宣言

「美」が虫にみえるのことをユミちゃんとミナコの前でいってはだめね

夢の中では、光ることと喋ることはおなじこと。お会いしましょう


_________

【出版社 / 著者からの内容紹介】異色の短歌入門書『短歌という爆弾』(小学館)で、「何者かでありたいあなた」の心に衝撃を与えた歌人、穂村弘が9年ぶりに放つ書き下ろし連作歌集。キャバクラ嬢やウエイトレスをして暮らす女の子「まみ」は、歌人「ほむらひろし」にせっせと手紙を書き送る。妹の「ゆゆ」や最愛のクロウサギとの、詩的でほわほわしていて乱れていてストイックな生活、まみとゆゆを巡る恋人や友達や隣人たち、そして切なくふるえるまみの心、愛、祈り。新鋭イラストレーター、タカノ綾のキュートでエロティックなイラスト20点とともに、ピュアで切なく危険で甘い「愛と永遠の希求」をハイテンションに書ききるこの歌集は、短歌というかたちをとった鋭利なナイフだ! 小学館 (2001/06)



[PR]
トラックバックURL : http://nikkidoku.exblog.jp/tb/10491073
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
名前
URL
削除用パスワード

※このブログはコメント承認制を適用しています。ブログの持ち主が承認するまでコメントは表示されません。

by yomodalite | 2009-03-05 09:43 | 文学 | Trackback | Comments(0)

旧「読書日記と着物あれこれ」。歴史/文学/お笑いを好み、着物生活をしていたはずが、いつしかマイケルジャクソンのように本を読もうになってしまったブログ。永年暮らした東京を離れ、現在は大阪を満喫中。


by yomodalite