文学賞メッタ斬り! 2007年版 受賞作はありません編/大森望、豊崎由美

文学賞メッタ斬り!〈2007年版〉受賞作はありません編

大森 望,豊崎 由美/PARCO出版



『文学賞メッタ斬り!』に続いて、07年版の続編を読みました。現在までに発刊された4冊すべて読むのはちょっと苦しいかなと思い、06年の『文学賞メッタ斬り!リターンズ』は飛ばしました。

書評本として以外での本著の魅力は中原昌也氏のトークショーが納められているのと、とうとう直木賞の選考委員を辞めた津本陽氏の特集記事。賞選考は作家にとって一大事にも関わらず、選考委員のあまりにもお気楽な感想がまかり通っている現在、このように単行本として記録されることはイイですね。

また、『文学賞メッタ斬り! 』で、高評価だった、日本ファンタジーノベル賞、メフィスト賞の凋落や、今回はとりあげられている作品は知らないものが多かったのですが、私が知らないだけでなく低調な年だったのかな。私が注目した作品は以下の3作。

中原昌也/『名もなき孤児たちの墓』(野間文芸新人賞。芥川賞落選『点滅…』を収録。著者のイラストも楽しめる。

黒井千次/『1日 夢の柵』(野間文芸賞。独特の文体で老いを見つめる傑作短編集。滋味あり)

宇月原晴明/『安徳天皇漂海記』(山本周五郎賞’06。伝奇小説の興奮と幻想文学の美が解け合う傑作。文学賞メッタ斬り!大賞も受賞)

島田清次郎/『地上』
(1918年。20歳で書いたベストセラー。金沢に同氏にちなんだ島清恋愛文学賞がある。精神科医、風野春樹によるファンサイトあり)

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【目 次】
・トークショー “中原昌也、大いに怒る”
・07年度版 公募新人賞の傾向と対策
・選評、選考委員メッタ斬り
・津本先生、さようなら「直木賞と津本陽先生」
・最新版文学賞事情
・第136回芥川・直木賞考察(芥川賞:青山七恵、直木賞:なし)  
・第二回「文学賞メッタ斬り!」大賞
・付録 06〜07版・文学賞の値打ち

【BOOKデータベース】選考の謎、授賞のロジック、おなじみ「選評」評…溢れ出る小説愛で益々冴え渡る文学放談。年に一度の文学賞祭り開幕!第2回「メッタ斬り!」大賞発表。最新受賞作全採点「文学賞の値うち」付。 PARCO出版 (2007/5/10)



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by yomodalite | 2009-02-24 09:08 | 文学 | Trackback | Comments(0)

旧「読書日記と着物あれこれ」。歴史/文学/お笑いを好み、着物生活をしていたはずが、いつしかマイケルジャクソンのように本を読もうになってしまったブログ。永年暮らした東京を離れ、現在は大阪を満喫中。


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