黒い画集 (新潮文庫)/松本清張

黒い画集 (新潮文庫)

松本 清張/新潮社



大みそかに、久しぶりに「紅白」を観ました。下品な番組という感想はもう何年も変わらないのだけど、『天城越え』の石川さゆりが素晴らしくて、これはやはり「紅白」という「舞台」がもつ格が相応しいとも思えるのだけど、番組全体としては、なるべく下品に演出するようにと、NHKは毎年「闇の勢力」から、脅されているんでしょうかww

『天城越え』はもう十年以上前から名曲だったはずだけど、年末に観たそれは、名曲として以上に「古典」として完成されていてさらに大輪の華を咲かせたようだった。イチローが、現在これを使用したのも、この完璧さが気に入ったのだろうと思う。

そんなことを思いつつ、私が録画した『天城越え』を何度も観ていたら、ダーリンから「清張に『天城越え』という作品があるんだよね」と、めずらしく(!)有意義な一言。

久しぶりに松本清張の作品を読んでみました。

本著は『天城越え』を含む7編による短編集。「天城越え」はその中では短い方なのだけど、どの作品も、描写がすばらしく、著者も書込むことにより筆が乗って来るという感じで惹き込まれるだけに、長い作品ほど満足度が高くなるので、読了後もっと続きが読みたいと思ってしまう。また、あらためて驚いたのは、全作品が自分が生まれる前に書かれたものだったこと。昭和33〜34年に書かれたものなのに、この現代性は驚嘆するしかありません。まだ東京オリンピックも始まっておらず、新幹線ひかりも走っていないなんて。

また近日中に、清張作品を読まずにはいられないと思う。


【目 次】
「遭難」
同じ会社の3人が鹿島槍の登山をするが、遭難して一人が死んでしまう。。。
「証言」
エリート銀行員は保身の為、殺人事件の偽証をする。。。
「天城越え」
少年は家出の途中、色っぽい女に出会い。。。
「寒流」
銀行支店長が上司である常務に愛人を奪われてしまう。。。
「凶器」
容疑者の家から凶器は発見できなかった。刑事は後日、凶器が何であったか気づいた。。
「紐」
島の神主が川べりで死体で発見された。被害者はある事業計画のため多額の借金を抱えていたが。。。
「坂道の家」
雑貨屋の店主が若いキャバレーの女性に手玉に取られてゆく。。。

【本の内容】
身の安全と出世を願う男の生活にさす暗い影。絶対に知られてはならない女関係。平凡な日常生活にひそむ深淵の恐ろしさを描く7編。新潮社: 改版版 (1971/10)



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by yomodalite | 2009-01-21 13:53 | 文学 | Trackback | Comments(0)

旧「読書日記と着物あれこれ」。歴史/文学/お笑いを好み、着物生活をしていたはずが、いつしかマイケルジャクソンのように本を読もうになってしまったブログ。永年暮らした東京を離れ、現在は大阪を満喫中。


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