TOKYO建築50の謎 (中公新書ラクレ)/鈴木伸子

著者は雑誌『東京人』の副編集長。本著は東京建設業協会の会報誌『東建月報』に連載されたものをまとめたもの。

もう十年以上東京都心に住んでいるので、ここに登場する建築は思い出深く、日頃建築に抱いている疑問や興味と重なる点も多く大変楽しめた。解答を楽しむというより、「そうそう」「あるある」「へぇ〜」という感じで、著者と気が合うような気がしてしまう読書感。

ただ、疑問に対して明快な答えを求めている人には、解答としては不満に感じるかも。章タイトルには、すべて「謎」の文字、見出しにも全て「?」の文字。そういう読者の期待はもっともなのだけど、建築散歩の楽しみを伝えるという趣旨の連載原稿だったのでしょう。あとから、謎というタイトルを無理矢理つけたっぽい内容も多いのですが、現代建築の謎を50個表出されたことは、建築散歩ファンにとって、自分の興味の傾向を探るのにもイイのでは?

「とくとみぶろぐ」
http://tokutomimasaki.com/2008/08/tokyo50.html

【目 次】
第1章 技術に関する謎
・メンテナンスが大変な建築とは?
・巨大建築物はどうやって壊すのか?
・東京一の難工事現場はどこだ?
・最新建築のセキュリティはどうなっっているか?
・最近のビルはなぜあんなに乾燥するのか?
第2章 移動・輸送に関する謎
・ブランドショップのエレベーターはなぜ透明なのか?
・超高層ビルのエレベーターは本当に安全か?
・エスカレーターは遊びの空間に変わったのか?
・スロープのある建物が増えている理由は?
第3章 和風に関する謎
・外国人建築家は、なぜ勘違いした日本趣味建築をつくるのか?
・和風建築はどうしてお金がかかるのか?
・東京流料亭建築の特徴とは?
・東京のお風呂屋さんは今どうなっているか?
第4章 住居に関する謎
・木造一軒家は、いつまで都心に存在し続けられるか?
・東京における豪邸の条件とは?
・都心のマンションのCMに有名スターが出るワケとは?
・ヴィンテージ・マンションとはどんなもの?
第5章 流行に関する謎
・なぜ最近はガラス建築ばかりなのか?
・なぜあんな珍奇な名前がつけられたのか?
・なぜ冬の東京は、イルミネーションだらけなのか?
・外国人有名建築家の建物は、どうやってつくるの?
・美術館が次々に新築・改装されているのはなぜ?
・東京の最新オフィスビル事情とは?
・都心のキャンバスの“傾向と対策”とは?
・最近できた外資系ホテル建築はどうなっている?
第6章 再生・循環に関する謎
・銀行跡地の驚くべき使い道とは?
・建築の緑化はどうやって行われる?
・うまく再生された建築物とは?
・デパート、ホテルの建て替えはどうやって行う?
なぜ建築は壊されてしまうのか?
第7章 場所に関する謎
・高いところは値段も高い?
・ガード下の使い途でもっとも有効なのは?
・超高層ビルの屋上からは何が見える?
・ウォーターフロントにある、意表をつかれる建築物とは?
・なぜ、あのビルは目立つのか?
第8章 歴史に関する謎
・デジタル技術でどこまで復元可能か?
・建築の復元保存はどこが一番難しい?
・建築現場から遺跡や骨が出てきたらどうする?
・同潤会アパートがなぜ今人気なのか?
第9章 奇想に関する謎
・あれは建築なのか?
・ビルの狭間に残った「ちいさいおうち」の存在理由は?
・ペット建築って何?
・「連絡建築」は何のためにある?
・自然素材を使って何ができる?
・東京の建築における「奇想の系譜」とは?
第10章 建築用語に関する謎
・「コンペ」とは?
・「PFI」とは?
・『リート」「ファンド」とは?
・「空中権」「容積率」とは?
・「改正建築基準法」とは?


【出版社 / 著者からの内容紹介】ここ数年の東京の変化はめまぐるしい。再開発ブームで、見知らぬ建物がある日突如として現れる、などということも日常茶飯事だ。そうした建築物を見ていて、さまざまな疑問を抱く人も多いだろう。なぜガラスの建物ばかりなのか? 解体はどのように行うのか? 歴史的建物はどう保存するのか? 都市誌の編集者である著者が、その道の専門家を訪ね歩き、そんな疑問への「解答」を探し求めた。本書は、町歩きのための絶好のガイドブックである。 中央公論新社 (2008/07)





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by yomodalite | 2008-12-28 19:17 | 住宅・建築・インテリア | Trackback | Comments(0)

旧「読書日記と着物あれこれ」。歴史/文学/お笑いを好み、着物生活をしていたはずが、いつしかマイケルジャクソンのように本を読もうになってしまったブログ。永年暮らした東京を離れ、現在は大阪を満喫中。


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